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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

hiirimatto マウスパッド

気がつくと食べ物の話題が続いたので、違う話題も取り上げますね。

PC用のマウスはフィンランド語でも「ハツカネズミ」を表すhiiri、そしてパッドの方はフィンランド語では「マット」を表すmatto、マウスパッドはこの2語の複合語になります。

mattoの格変化ですが、単数属格はmaton(tt:tのkpt変化に注意)、単数分格はmattoa複数分格はmattojaです。一方複合語の前半の要素のhiiriは特に単数分格が難しく、「2匹のハツカネズミ」はkaksi hiir(単数分格)、単数分格と思った方も多いと考えられるhiirは実は複数分格単数属格はhiirenです。複数形に取り組んでいる水曜初級コースで最近良く話題にしますが、「単数の格変化が簡単な語は通常複数の変化が難しく、単数の格変化が難しい語は複数の格変化が簡単な語が多い」ことを知っていると良いでしょう。

写真は7~8年前に留学生にもらったhiirimattoで、気に入って今も使っています。

aprikoosi あんず(杏・杏子)

ジャム(hillo)はあまり食べないのですが、あんずジャムは好きです。ところがあまり店に置いてありません。たまに見かけると買ってしまいます。

あんずは中国原産のようですが、ヨーロッパでは近世までアルメニア(Armenia)原産だと考えられていたようで、それが学名(Prunus armeniaca)にも反映されているようです。

昔は更埴(こうしょく)市でしたが、今は自治体統合で千曲(ちくま)市になったかと思いますが、「あんずの里」があり、長野県には縁があったので何十年か前の学生時代に友達と花見に出掛けたことを、あんずジャムを食べるたびに思い出します。

あんず(aprikoosi)は-i終わりの外来語ですから、単数属格はaprikoosin単数分格はaprikoosiaのように単純な格変化です。あんずの実がたくさんあればpaljon aprikooseja複数分格は難しいですね(monta aprikoosiaも可です)。

granaattiomena ザクロ(石榴・柘榴)

Hyvää uutta vuotta! 明けましておめでとうございます。

またまた投稿間隔が空いてしまいました。どのくらいの方がこのブログ欄をのぞいてくれているのか見当もつきませんが、フィンランド(語)に関心のある方に少しは参考になるような話題を提供したいと思います。

(特に入門・初級コースの)生徒さんには「文法も大切ですが、やはり語彙を増やしていきたいものです。」といつも言っているくせに、新しい語がだんだん覚えられなくなってきました。そして何十年勉強しても、自分の頭に入っていなかった語彙が次々と現れることに愕然としながらも、Koko elämä on opiskelu.≒「人生常に勉強だ」を実践するしかないのだと感じています。

年末に写真を整理していたら、昨夏Tampereのスーパーで撮ったザクロの写真が出てきました。「ザクロ」は語彙に入っていなかった語でした。granaattiomena、どうして「花崗岩、御影石」+「リンゴ」なのだろうとぼんやり考えていましたが、年明けに辞書を引いて勘違いに気づきました。「花崗岩」はgraniitti、granaattiは鉱物の「ざくろ石、ガーネット」でした。こまめに辞書を引くことも大切だと、改めて思った年初めでした。

merikorva アワビ(鮑・鰒・蚫)

少し奮発してアワビを買ってきて、刺身で食べました。アワビは英語でabaloneというそうですが、そこから借用したと思われるabaloniというフィンランド語はあるのですが、merikorva(meri「海」+korva「耳」)は愉快な名前です。meri-は他にはウニmerisiili(「海」+siili「ハリネズミ」)やナマコmerimakkara(「海」+makkara「ソーセージ」)など楽しい複合語が存在します。

今日金曜上級サークルで読解する太宰治著『津軽』(もちろんフィンランド語訳)で太宰が深浦を訪れた際にアワビを食す場面があるので取り上げてみました。

karisma カリスマ

karismaはKaisa Häkkinen教授の『現代フィンランド語語源辞典』によれば、ギリシャ語のkhárisma(「(神が下さった)才能や天賦」)を語源とし、この語がフィンランド語に入ってきた1900年代初頭は語源の持つ意味で使われていましたが、次第にドイツ語やスウェーデン語が提供する現代的な意味に変質していったとのこと。

写真のKharismaはスウェーデンのメーカーのコーヒーですが、知人のMinnaのご主人Mattiの一押しのコーヒーで、お土産に真空パックを一つ買ってきて飲んでみました。Hyvää!美味しいです!フィンランドでは中規模以上のスーパーならどこでも売っていますので、ぜひ試してみてください。

Ö, ö, hö-ö… 島、島、干し草の島…

8月28日再訪時のKoli

Öはフィンランド語でも使われるアルファベットですが、これはフィンランド語ではありません。夏休みでTurkuに滞在中、元留学生のMikaの友人から教えてもらったスウェーデン語の一節です。スウェーデン人が、自分たちの言語がフィンランド語に比べてどれだけシンプルか自慢する時のフレーズとか。

スウェーデン語、フィンランド語、日本語の順に並べてみます。大文字小文字やカンマの入り方など、標記に小さな間違いはあるかもしれませんが、発音や意味は間違っていないと思うので、ご勘弁のほどを。

【瑞語】
Ö, ö, hö-ö,
Hö-ös vackra mö.
【芬語】
Saari, saari, heinäsaari,
Heinäsaaren kaunis morsian.
【日本語】
島、島、干し草の島
干し草の島の美しい花嫁。

Öは口をしっかり丸める(⁼円唇母音)oとeの中間の音でした。

Koli (osa 1) コリ国立公園(その1)

Koliの船着き場

個性的なPetraの家族と叔父さん(中央)

フィンランド随一の景勝地との呼び声も高いKoliはJoensuuからさらに北へ60㎞ほどの場所にあり、車がないとなかなか訪れるのが不便な場所なのですが、夏のフィンランドを訪れる機会があれば、ぜひ訪れてほしい場所です。

私は幸運にも今年の夏の旅行で2回訪れることができました。まずはパート1(いつパート2が紹介できるか確かではありませんが、いつか後日)として7月29日のKoli訪問から紹介します。元留学生のPetraの弟Joonasが運転する車で、Koliの船着き場へ。仕事を早く切り上げて別の車で船着き場へやってきたPetraの両親、叔父さんも合流、15時の出発に間に合い、好天の中ミニクルージングを楽しむことができました。月曜日ということもあって船内は込み合っておらず、ビールを飲みながら美しいPielinen湖とそこに浮かぶ島々を眺め、おしゃべりを楽しみことができました。

ミニクルージングのあとは再度車で移動し、駐車場からKoliの最高地点までケーブルカーと徒歩で上ります。こちらは相当多くの観光客がいましたが、それでも多くの画家や音楽家にインスピレーションを与えた美しい景色をゆっくり楽しむことができました。最後の写真はヘルシンキのアテネウム美術館で開催されていた展覧会での、私も大好きな画家のエーロ・ヤルネフェルト(Eero Järnefelt)の描いた100年ほど前のKoliの風景です。

Karjala カレリア(地方)

前回の投稿から4か月近くも間が空いてしまいました…

今年の夏は7週間フィンランドを訪れ、昔からの友人や元留学生などたくさんの知人に会うことができました。

今回の旅の前に、今まで訪れたことのない場所の中で、ぜひ行ってみたいと考えた場所が3カ所ありました。カレリア地方にあるKoli国立公園、オーランド(Ahvenanmaa)、それからこれはノルウェーなのですが、ブゲイネス(ノルウェー語でbugøynes、フィンランド語でPykeijä)という漁村です。オーランドは残念ながら今回訪れる時間がなかったのですが、他の二つの場所は訪れることができ(Koli国立公園は2回も)、天候にも恵まれて散策や遊覧船の旅を楽しむことができました。なぜPykeijäを訪れたいと考えたかは別の機会に言及したいと思います。

カレリア地方はこれまで中心都市のJoensuuとRääkkyläという小さな町以外はほとんど訪れる機会がなかったのですが、元留学生で現在ラップランド大学の芸術デザイン学部で研究を続けているPetraがJoensuu郊外に実家があることもあり、こちらに泊めてもらいながらKoliも含めあちこちへ連れて行ってもらいました。またこれも元留学生(25年以上前になりますか)のKatjaがJuukaという小さな町に住んでおり、こちらにもお世話になりながら再度Koliを含め、カレリアらしい場所に連れて行ってもらいました。

今回はKoliを除き、カレリアらしい風景を二つ写真で紹介します。森と湖、緑のボートの写真は7月27日撮影(Joensuuから50~60㎞はなれた田舎)、干し草の方は8月26日撮影(Juuka)です。干し草の写真の方は北海道シベリウス協会の会長さんで古い知り合いでもある駒ヶ嶺ゆかりさんがえらく気に入ってくれ、シベリウス協会の会報用にこの写真を使いたいと連絡をいただきました。何がカレリアらしいのかと尋ねられても、ちょっと困るのですが、写真のような素朴な景色の中で、時には蚊と闘いながら、しかしのんびりと長い夏の一日を過ごすのは最高の贅沢の一つだと個人的には感じています。

 

loimulohi (遠赤外線を利用した)炙りサーモン

今年も伊達市大滝区の藤田さんのところでプチ夏至祭(juhannus)をやらせてもらいましたが、旧オウル大学留学生のMikko君も参加してくれて、楽しい集まりとなりました。Mikko君は最初の北大留学は19年前だったとか。

昨年に引き続き、焚き火ができるコタ(kota)の中で炙りサーモンを作りました。料理上手のJさんにすっかり任せてしまいましたが、大変おいしかったです。別に夏至祭につきものの料理というわけではありませんが、街中でやるとすぐ消防車が来ますから、フィンランドでも別荘で時間があるときにのんびり楽しみながら調理する料理かと思います。野外市場では季節を問わず炙りながら売っていることもあります。以下、これもオウル大学留学生だったJuha君から大昔にもらったレシピです:

1. 1kg以下の重さのサーモンのフィレを手に入れる(小骨も含めて骨はとっておく)。
2. 目に見えるくらい海塩あるいは粗塩を両面にふり、アルミホイルで包んで1-2時間塩漬けにする。
3. フィレに合ったサイズの木の板をさがし、6-8か所程度穴をあける。穴にあったサイズの(片側が)サーモンの皮を貫通するくらいの鋭い先端の(木の)栓を作る。
4. 木の板と栓を30分くらい水に浸しておく。
5. たき火を起こす。
6. 大部分の塩をサーモンの表面から払い落とし、栓で皮の側が板に固定されるよう、すなわち切り身の側から栓を突き刺す。
7. スタンド(=木の板)に固定したサーモンのフィレを、鮭の表面を触ったときに5秒くらい手が我慢できるくらいの距離に置く。ただしあまり遠くに置かないように。
8. 調理の最初にサーモンの表面に油、あるいは溶かしたディルバター(ディルを刻んだものとバター、塩を混ぜたもの)を塗っておく。ディルバターを使う場合は、お好みで二、三度余計に塗りこんでもよい。
9. 魚の表面がかなりカリカリになるくらいまで、45分から1時間半程度焼く。

後から見た様子

「追いディルバター」がおいしさを増します

                                     

 

varpunen (イエ)スズメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時期スズメの姿が全く見えなくて心配していましたが、最近は家の近くでカラスを警戒しながら飛び回っているスズメを頻繁に見かけるようになりました。

GW明けのある日のこと。屋内にいると壁からガサガサと音がします。数年前の冬、ドブネズミ(rotta)が家に侵入したのを立て続けに2匹退治したことを思い出し、ちょっと気が重くなったのですが、どうも様子が違います。

寝室の換気口のある場所の近くからいつも音が聞こえてきます。外に出て見てみると、張り出している換気口の下部が壊れています。どうやらスズメがお宿にしているか、巣を作ってヒナをかえそうとしているようです。ありがたいことに夜は音は聞こえてきませんが、朝になるとガサガサ、あるいはそのうちバタバタと羽ばたきの音も聞こえてきました。聞こえてくる音は「チュンチュン」とか「ピーピー」ではなくて、少しかん高い「キーキー」といった声が中心です。その後、巣に出入りする親スズメの姿も目撃しました。間違いなしです。

一週間ほど前の朝、複数の羽ばたきの音を最後に、音はほとんど聞こえなくなりました(その後たまに仮の休憩所に使っているスズメを除くと)。外の換気口の下にはフンや巣の一部と思われるわらくずの塊が落ちていたので、ヒナたちは飛び立って行ったようです。高いハシゴがないと外の換気口の交換はできないので、今年程度の使用状況なら来年もスズメに貸してあげようと思っています。

フィンランド語ではスズメはvarpunen、日本で見かけるスズメより少し大型で、正式にはイエスズメのことのようです。日本のスズメはpikkuvarpunenというのが正しいようですが、varpunenで大丈夫でしょう。‐nen終わりの語ですから、「2羽のスズメ」はkaksi varpusta(単数分格)、「たくさんのスズメ」はmonta varpusta(単数分格)かpaljon varpusia(複数分格)です。

親スズメ?