rakugo, japanilainen kerronnallinen komiikka 落語
先週土曜日、数年ぶりに落語を聞きに行きました。会場へ行く途中で、同じ建物の、1階違いの場所へ向かっているカンテレの先生でもある佐藤美津子さん(フィンランド協会常務理事)とバッタリ出会ってしばし立ち話と、嬉しい驚きもありました。
古典落語の名手の柳家さん喬師匠の独演会。数年前に行ったのもさん喬師匠が出演していた落語会でした。演目は「千両ミカン」、「寝床」、そして大ネタの「唐茄子屋政談」。「最近は食べ物に『旬』がなくなりましたね」と「千両ミカン」のマクラで語られたように、食べ物が噺の中にたくさん出てきました。
言葉に関わる者として、ことばと仕草(さん喬師匠は日本舞踊の名取でもあるそうで優美な動きでした)で人の心を掴む落語は、久しぶりに自分の生業を考える良い機会ともなりました。
落語はフィンランド語版ウィキペディアによればjapanilainen kerronnallinen komiikka(日本の、物語風の、コメディー)と訳されています。演目にもある「ミカン」ですが、私たちが使っているテキストsuomea suomeksi 1には「オレンジ」appelsiiniが出てきますが、もう少し皮が薄くて酸味が弱い「マンダリンオレンジ」はmandariini、「温州みかん」(これが演目のなかの「紀州ミカン」に一番近いかも)はsatsuma(ご想像のように「薩摩」)が使われる場合もあります。
唐茄子はナスビ(munakoiso)のことではなく、カボチャ(kurpitsa)の異名と初めて知りました。それゆえに、唐茄子を左右に十個ずつ入れて天秤を担いでいる若旦那がふらついている様子が、やっと想像できました。