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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

nukke 人形

-e終わりの名詞・形容詞の単数の格変化(分格を除く)は通常-ee+格語尾(例:huone「部屋」、単数分格はhuone-ttaだが、単数属格はhuonee-n)ですが、nukke「人形」はeを伸ばしての格変化にならない珍しい例です。ただしkk:kのkpt変化があるので、単数属格はnuken単数分格は nukkea、比較的よく使う複数分格はnukkejaとなります。

同様な変化をする-e終わりにはkolme「3」(単数分格はkolmea単数属格はkolmen)、itse「自身」(単数分格はitseä単数属格はitsen)、他にAnneやJanneのようなファーストネームがあります。

「指人形」はsorminukke。写真の指人形は友人Jussiの住むRuovesiのバスターミナル内で、地元の人が作った手芸品を扱う販売所で購入しました。1つ2ユーロだったと思います。かまぼこ型の白樺の木に串を指した「飾り台」も一緒に売っていましたが、荷物になるのでこちらは帰国してから100円ショップでおあつらえ向きの飾り台を購入しました。

luomu オーガニックの食品、有機農法製品

luomuはluonnonmukainen(自然(luonto)の属格+mukainen「~に対応した、一致した」)→「自然の」から作られ、1990年代にはよく使われるようになった語です。食品の安全に気を遣うのは日本もフィンランドも同じ、知っていると便利な単語です。

複合語の最初の要素としてもよく使われ、luomutuote「有機製品(農産物)」、luomuliha「有機飼育による」luomuviljely「有機農業」など知っていると便利です。写真はluomuolut「オーガニックビール」。

luomuは「整形手術をしていない人」、「豊胸手術をしていない胸」といった特殊な使い方もあるようですが、まあ、それは置いておきましょう。

parsa アスパラガス

アスパラで有名な喜茂別町は札幌市の隣町

10月25日の火曜初級コースで紹介。格変化は簡単。単数属格はparsan単数分格はparsaa。「アスパラスープ」はparsakeitto(アスパラ+スープ)ですね。私がフィンランドに留学していた90年代には缶詰のホワイトアスパラは売っていましたが、グリーンアスパラは出回っていませんでした。今はどうなんでしょうか。グリーンアスパラ好きの在日フィンランド人は多いと思います。

ついでに覚えておきたいのが、「ブロッコリー」parsakaali(アスパラ+キャベツ)。こちらも格変化は簡単で、単数属格はparsakaalin単数分格はparsakaalia。ブロッコリーも好きなフィンランド人は多いです。北大大学院のシリヤなどは、さっと茹でようとすると、「そのままの方がいい」と生で美味しそうに食べています。

neidonhiuspuu イチョウ(銀杏)

31/10/2022 最寄りの地下鉄駅に続く通り

11月1日の火曜初級コースで紹介しました。neidon(neito「乙女」)+hius「髪」+puu「木」。なかなかロマンチックな命名です。

 「種」はsiemenなので、ギンナン(銀杏)はneidonhiuspuun siemen(「イチョウ種」)いうことになります。siemenは変化が難しく、単数分格はsiemen、よく使う複数分格[テキストsuomea suomeksi 1で勉強されている方は26課で履修]はsiemen単数属格はsiemenenとなります。

rakennustyömaa 建設工事現場

13/10/2022 Sapporo

10月18日の火曜初級コースで紹介。知っていると便利な複合語です。työは「仕事」、maaは「国、田舎」の意味で多くの方がご存知だと思いますが、つなげると「工事現場」の意味になります。rakennusは「建物、建築」を表す名詞、関連の動詞はrakentaa「建てる(タイプⅠ、nt:nnのkpt変化あり)」です。

「建設工事現場//から」は通常外部格(テキストsuomea suomeksiの15課で履修)、-lle, -lla, -ltaを使います。

tietyö「道路工事」も知っていると便利です。日本は年中道路工事していますから。

sudenkorento トンボ(蜻蛉)

札幌ではそろそろ雪虫が飛ぼうかという時期なので季節外れの話題になりそうな昆虫ですが、フィンランド語のトンボ(蜻蛉)は面白い発想の語、sudenはsusi「オオカミ」の単数属格、korento「トンボ、カゲロウ」の類を意味します。金曜上級サークルで読んでいる童話では、長く水中で暮らし、成虫は短命であるカゲロウにはpäivänkorento「一日(päivä)のカゲロウ」という語が使われていました。

日本ではトンボは、「とんぼのめがね」の童謡や、某シンガーソングライターの歌で「ああ しあわせのとんぼが ほら 舌を出して 笑ってらあ」とあるように愛嬌があり、幸せに結びつく動物というイメージを持っている人も多いようですが、ヨーロッパではあまり縁起の良くない動物として扱われることが多いようで、それはフィンランド語では「オオカミの」という語頭にも反映されています。

単数属格は-korennon複数主格は-korennotとnt:nnのkpt変化が関係あり、単数分格は-korentoa複数分格は-korentojaとなります。

maanjäristys 地震

10月4日の火曜初級コースで紹介しました。文字通りはmaa「地(面)」-n「の」järistys「揺れること」。しっかり口を動かして発音しないとjäristysの部分、噛んでしまうことが多いです。

単数属格はmaanjäristyksen複数主格はmaanjäristykset単数分格はmaanjäristys複数分格はmaanjäristyksです。格変化するともっと噛みやすくなるので注意。

同じ災害関連の語でも、「津波」はそのままtsunamiでフィンランド語の語彙に入っており、単数属格はtsunamin複数主格はtsunamit単数分格はtsunamia複数分格はtsunamejaと格変化します。

Kotimaisten kielten tutkimuskeskus「フィンランド国内使用言語研究センター」のKielitoimiston sanakirjaにはtsunamiの説明として、maanjäristyksen tms. aiheuttama, merenpohjan voimakkaasta liikkeestä johtuva sarjallinen hyökyaalto「地震などが引き起こす、海底の強力な動きからもたらされる連続的な大波」と記されています。

上級コースの9名が、中・上級用テキストを修了!

29日、木曜上級コースの9名が今年度の折り返しとなる20回目の授業で、中・上級者用テキストsuomea suomeksi 2「フィンランド語をフィンランドで 2」を修了しました。
終了された9名は以下の皆さんです(敬称略、ファーストネームのみ):
Kozue, Moeko, Yuki, Yuuko, Masae, Saeko, Sumiko, Yumiko, Sachie
Onneksi olkoon!おめでとうございます。


ほとんどの皆さんが学習開始後3年半かけての修了、最初の1年は対面授業でスタート、2年目以降はオンライン授業での受講となりました。29日はフィンランド協会でハイブリッド方式で授業を行い、対面参加の5名とZoomで参加の3名に修了証が授与され、授業後の茶話会では長年の苦労をたたえ合いました。授業と茶話会には北大留学生のPetraも参加してくれました。

今後もほとんどの皆さんが同コース(新聞記事や手紙などの実践的な読解と文法事項の復習)、あるいは他コースへ所属して勉強を続けます。また現在授業録画で勉強されている1名が近々録画視聴を終え、修了証を取得の予定です。

北海道フィンランド協会専務理事(フィンランド語講座担当) 水本 秀明

kuningatar 女王

イギリス、日本、二つの国葬(valtiolliset hautajaiset)が終わりました。

「女王」は残念ながらnainen「女性」+kuningas「王様」のコンビネーションではなく女性を表す接尾辞の-tArが入っている語です。 単数属格はkuningattaren複数主格はkunigattaret単数分格はkuningatarta複数分格はkuningattariaです。辞書形(単数主格)と単数分格以外はtt:tの逆kpt変化があります。

昔の文献などにはopettajatar(opettaja「先生」+接尾辞-tar =「女先生」)、sairaanhoitajatar(「看護師」+接尾辞-tar =「女性看護師」)といった語も見受けますが、この-tarという接尾辞は時代とともに廃れつつあり、この「女王」といった語で細々と生き続けています。

とはいえ死滅したわけではなく、すばらしい女性シンガーを「歌手」のlaulaja(男女ともに使うこと可)ではなくあえて「歌姫、ディーバ」の意味でlaulajatarと紹介したりする用法はたまに見かけます。

中級以上の方は、「女王」と合わせて、「王様」kuningasの格変化も研究してみると良いかと思います(こちらはnk:ngのkpt変化が関係する語です)。

tulivuori 火山

道東、川湯温泉近くの硫黄山(2022/8/25)

自分の持っていないものに憧れたり興味を抱く、人間ってそういう傾向がありますよね。自分の国にはない火山、ほとんど起こることのない地震、その他津波、台風などに興味を持つフィンランド人は多いので、それらをフィンランド語で何と言うか知っていると便利です。

まず第1弾としてtulivuori「火山」から。tuli「火」とvuori「山」の基本単語の組み合わせで、日本語と同じ発想の複合語、英語のvolcanoに比べてなんと分かりやすい発想なことか。

vuori「山」は格変化、特に単数分格の変化に注意する語で、単数属格はvuoren複数主格はvuoret、「たくさんの火山」と言いたい時は、monta vuorta(単数分格)かpaljon vuoria(複数分格)です。複数はほとんどの格が辞書形と同じvuori-からの変化となりますが「山々の」を表す複数属格はvuorien(第1属格)に負けず、vuorten(第2属格)もよく使われます。