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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

(jalo)hortensia アジサイ(その2)

アジサイはフィンランド語で(jalo)hortensiaだというのは1年位前に話題にしました。私の家の裏庭にもアジサイが2株ほどあるのですが、雨が少ないせいか、なかなか鮮やかに色づかず、つまらなく思っていました。

昨日、フィンランド協会の50周年記念祝賀会で使わせていただく「豊平館」を協会関係者2名と視察しました。道すがら川辺で咲いているアジサイが、豊平館の建物の色とよく調和していたので、思わず数枚写真を撮りました。

西野先生が数回投稿してくれたので、サボっていましたが、たまには投稿したいと思います。

すかしっ屁

汚いタイトルで失礼します。西野です。

食事中の方は読むのをお控えください。

最近フィンランド人の友人がくれた本 ”Äänestä sana, sanasta merkitys”(音から言葉が、言葉から意味が)を読んでいます。韓国人フィンランド語研究者のJeongdo Kimが自分の博士論文を、一般向けに分かりやすく書いた本です。テーマはフィンランド語のオノマトペです。

音を描写した語のオノマトペですが、日本語ではとてもよく使います。もちろん日本語だけの専売特許ではなく、世界中の言語に存在します。そしてフィンランド語にもとても豊かなオノマトペ表現が存在します。

日本語を勉強しているフィンランド人に「フィンランド語にもオノマトペがたくさんあるよ」と言っても「え?そう?」と首をかしげていました。母語話者はあまり意識的じゃないかもしれませんね。

件の本では様々なフィンランド語のオノマトペとその背景が紹介されていて大変興味深いのですが、その中でも見つけて嬉しくなってしまったのはtuhnuです。何の音のオノマトペだと思いますか?

なんと「すかしっ屁」です。日本語の感覚とずいぶん違うかもしれません。すかしっ屁をこんな音で描写するなんて。ひとりで感動してしまいました。

こういう「今日から使えないフィンランド語」を調べているときが一番たのしいです。

あと下痢のripuliもオノマトペらしいのですが、もっともっと汚い話になるのでここではやめておきましょう。

ドラえもんのひみつ道具

「ドラえもんのひみつ道具って、フィンランド語で何ていうんですか?」

 

以前私がひっそり主催していた会話クラスで、生徒さんがこんな質問をしました。

ドラえもんのひみつ道具、考えたこともありませんし、フィンランド人の口から聞いたこともありません。

「ちょ、ちょっと待ってくださいね」

私にはネイティブの直観はありません。けれど、どういう調べ方をすれば答えにたどり着けるのか道筋を建てるのは結構得意な方です。

しかし今回は動揺してしまいました。

どうやって「ひみつ道具」を調べましょう。皆さんならどうしますか?

 

・フィンランド人の友達にきく

よくフィンランド人に「これって何ていうの?」と聞いて助言を求めるのですが、今回はだめです。ドラえもんのアニメファン、漫画愛読者には会ったことがありません。Hopeanuoliこと『銀牙-流れ星銀-』や『ワンピース』『ドラゴンボール』を読んだことがあるという人は知っていますが、ドラえもんの知名度はうんと低い。フィンランド語版wikipediaにDoraemonの記事が一応あるのですが、ひみつ道具への言及がひとつもありませんでした。ひみつ道具に一切触れずにドラえもんを説明なんて、なかなか度胸があります。

 

・自分なりにフィンランド語訳してみる

もちろんそのまま生徒さんへの答えにはなりません。けれど自分なりの予想をたてれば、フィンランド人に聞いたり用例を発見したりする手がかりになります。

けれど今回は考えれば考えるほど迷宮入りです。

「秘密」はフィンランド語でsalaやsalaisuusですが、「ひみつ道具」ってのび太がすぐジャイアン・スネ夫に自慢しに行くのであまり秘密じゃないんですよね。道端や空き地という人目に付きかねない場所で使っていますし。ちょっとsalaisuusとは呼べません。「ひみつ」というのは「とっておき」ぐらいの意味なんじゃないでしょうか。

「道具」は(työ)kaluがすぐに思い浮かびますが、あまりしっくりきません。(työ)kaluは斧とか、ハンマーとか、のこぎりとか、そのもので何かを加工するイメージです。少なくとも私にとっては。ドラえもんはよく機械のようなものもポケットから出します。ああいったものはkaluというよりはlaiteかしら、koneかしら。どれにも確信が持てませんでした。

 

・用例をあたる

予想が全く立たないまま、広いインターネットの世界から用例を探すことにしました。五里霧中です。

「誰か、誰かドラえもんの話をしていないか、フィンランド語で」

祈るような気持ちで検索を続けます。

そうするとSteamというPCゲームをダウンロード販売するサイトがヒットしました。私も何度か使ったことがあります。日本のゲーム会社も全世界に向けて商品を販売しています。

「ドラえもん のび太の牧場物語」というゲームのレビュー欄に、ゲームをフィンランド語で絶賛しているフィンランド人がいました。事細かにゲームの面白さを伝えてくれています。そこに「ひみつ道具がゲームのいいアクセントになっている」という記述が!

そのフィンランド人が使っていた語が erikoisvekotin です。erikoinen「特別な」とvekotin「ガジェット」の複合語です。特別ガジェット。確かに腑に落ちます。

 

そこでようやく、「ひみつ道具はフィンランド語でerikoisvekotinです」と生徒さんにお伝えすることができました。ちなみにvekotin「ガジェット」の-inは道具をあらわす接尾辞なので語形変化に気を付けましょう。単数属格はvekottimen、単数分格はvekotinta、複数分格はvekottimiaです。

 

調べたものの、人生でもう使わないだろうと思っていたerikoisvekotinですが、その後フィンランド人相手に使う機会がありました。わからないものです。皆さんもひみつ道具の話をフィンランド語でする機会はないかもしれませんが、パソコンやスマホの周辺機器の話題の際、ぜひvekotin「ガジェット」を思い出してください。

töyhtölunni エトピリカ

春休みに大洗水族館で、エトピリカを間近で見ました。

チドリ目ウミスズメ科ツノメドリ属のエトピリカはアイヌ語で「くちばし(エト)」+「美しい(ピリカ)」が語源だそう。フィンランド語ではtöyhtö「(羽毛などの)ふさ」+lunni「ツノメドリ(属の鳥)」です。

動植物の名前や病名などは、知らなかったり忘れてしまったものがたくさんあるので、日々勉強です…

フィンランドと知床のヒグマ密度

こんにちは。語学講座の西野です。

世界自然遺産の知床半島がすぐそこの、斜里郡斜里町出身です。

 

そんな田舎育ちの私ですが、山には遊びに行きません。

熊が怖いんです。子供の頃からずっと。

祖父の趣味が山歩きで、山に行っては舞茸や山菜を採ってきていました。

祖父から聞かされる「熊の足跡があった」「今日は熊のうんこがあった」といった話に震え上がり、もっぱら遊び場所といえば家や近所の空き地でした。

大人になってもやはり森と山がちょっと怖いです。特に知床の森は人間を拒絶しているようにも感じます。

 

2024年5月、久しぶりにフィンランドに行くことになりました。

「こっちでやりたいことある?フィンランドらしく森で過ごしてみる?」

渡航前、フィンランド人の友達のメッセージにはこうありました。

私にとって、森といえば熊です。フィンランドも北海道と同様、生息している熊はヒグマです。

知床の森と同じように、ヒグマに細心の注意を払いながら過ごさなくてはいけないんだろうか。全然リラックスできなさそうだ。疲れそうだ。

 

知床の森は日本有数のヒグマの生息地だそうです。

フィンランドにも同じような密度でヒグマがいるんでしょうか。さすがにそこまでじゃないのでは。

ヒグマ密度が知床より低ければ、フィンランドの森でのびのび過ごせそうです。友達へメッセージを返す前に、「ヒグマ密度」を計算し始めたのでした。

 

まず必要な情報は

フィンランド国土面積、そして森林面積の割合です。それから推測されるヒグマ個体数。

比較対象としての知床は、知床半島面積とヒグマ個体数から算出します。

計算ミスをしてもめげない

 

 

 

 

結果

フィンランド「ヒグマ密度」0.0068

知床半島「ヒグマ密度」0.4065

 

おおよそ60分の1!

この数字を見てたいそう安心した私は、友達に「ぜひ森で過ごそう!」と気兼ねなく返答したのでした。

 

フィンランドに来る前にこんな計算をしたんだよ、とフィンランド滞在中笑い話にしていましたが、友達いわくヒグマと人間が遭遇することはめったにないそうです。あったとしても南の方だとか。私が滞在するオウルではあまり心配する必要がないようでした。

 

「60分の1だから」と自分に言い聞かせ、イー川上流で楽しく過ごすことができたのでした。

フィンランド語入門コースのプレイベントを行いました!

入門コースの4/7の開講に先だって、3/31に参加任意のプレイベントを行いました。当協会のフィンランド語講座の歴史、講師自己紹介、受講のしくみや注意点、講師撮影のフィンランド食文化を紹介する写真鑑賞などの内容です。リアルタイムで参加いただいた10名(対面3名、Zoom7名)のみなさん、ありがとうございました。

入門コースは授業録画で「あと見」ができるので、例年夏休み頃までは新しい受講生を受け入れています。このプレイベントの様子も録画で見ることができます。また、受講上特に注意する点については、初回授業でも再度言及しますので、欠席だった方、まだ録画を見ていない方もご安心ください。

対面参加するといろいろ良いことがあります

今年はすでに受講手続きを済ませた方が13名、考慮中・授業見学をしてから受講の可否を決めたいという方が数名おられますが、過去数年と比べると人数は少なめです。引き続き新規受講、再受講を歓迎しますので奮ってご参加ください。

 入門コース担当 水本 秀明

Hyvinkää ヒビンカ???

フィンランド語はそのままローマ字読みするとだいたい通じるのですが、日本語にはない母音のä, ö, yが入っている語は通じないことも多いです。代表的なものは「モルック」(mölkky)、「ロウリュ」(löyly)などでしょうか。「 」内のカタカナ発音だと、ネイティブに通常キョトンとした顔をされます。

名寄の老舗ホテルのグランドホテル藤花、ここに「ヒビンカ」という名前のレストランがあります(2022年10月から休業中)。最初にここに宿泊した20年以上前からこのレストランの名前の由来が気になっていたのですが、10年以上わからずにいました。「カリンカ」のようにロシア語由来かな、などと漠然と考えていました。

あるとき、このホテル関係者がヘルシンキの北50㎞ほどにあるHyvinkää市(現在日本語版ウィキペディアでは「ヒュヴィンカー」と表記)と縁があったことを聞き、「ヒビンカ」の由来がわかった次第です。

Hyvinkääを観光で訪れる外国人は多くないと思いますが、そこの鉄道博物館はなかなか見ごたえがあります。

ruostumaton teräs ステンレス(鋼)

春休みに茨城の那珂湊に立ち寄る機会があり、以前投稿したアンコウ鍋を食すことができたのですが、那珂湊にはもう一つ気になるものが…

子供の頃、写真入りの鉄道車両紹介の本の中にカッコいい(と子供心に感じた)ステンレス車両が載っており、いつか乗ってみたいと思っていました。それがこの那珂湊を走っていたのです。昔は茨城交通という名称の私鉄、今はひたちなか海浜鉄道と社名が変わったので、気づきませんでした。

今回車窓から那珂湊駅のはずれに置かれている車両(ケハ601)を偶然見かけたあと、駅構内を大きく迂回して、車輪や台車は外されているものの、昔あこがれたステンレス車両を間近に見ることができました。

那珂湊駅にて

ステンレスはフィンランド語ではruostumaton teräs、最初の語はruostua(「錆びる」)という動詞から作った-mAtOn形容詞(「~することはない」、最近の文法書は「否定分詞」などと紹介されているかもしれません)、後半のteräsは(「鋼」)に相当する語です。長い語なのでrosteriとも口語では言うようですが、どのくらいポピュラーなのかわからないので、今度知り合いに聞いてみようと思っています。

 

(meri)krotti アンコウ(鮟鱇)

アンコウは以前金曜上級サークルで読んだフィンランド語版『津軽』(太宰治著)にも「二 蟹田」で登場する魚です。

「…この町では、いまも昔と変わらず、毎朝、さかなやがリヤカーにさかなを一ぱい積んで、イカ(kalmari)にサバ(makrilli)だじゃあ、アンコウ(krotti)にアオバ(kampela)だじゃあ、スズキ(kuha)にホッケ(meriahven)だじゃあ、と怒っているような大声で叫んで、売り歩いているのである。」
※( )内の訳語は訳者のKai Nieminenによる

でもアンコウの本場は茨城でしょう。春休みに茨城に出かけた際に、那珂湊で念願のアンコウ鍋を食べました。魚市場から離れたところにあるホテルのレストランだったのですが、開店前から数名並んでおり、通常は予約が必要なようでしたが、1名だったおかげか、無事にありつくことができました。

アンコウそのものもおいしかったですが、締めのぞうすいが絶品でした。

 

 

さっぽろ雪まつり国際雪像コンクールでフィンランド人女性アーティストが奮闘中(第3報)

写真は2/5の午後6時撮影、前日と比べてあまり進捗がないように見えるかもしれませんが、実際は6日夜の完成に向けて着々と作業が進められています。正面は後回しにして、背面と側面から仕上げていく作戦のようです。昼間もきれいでしょうが、夜間ライトアップされるとより美しく見える作品になる気がします。

他のチームも完成に向け作業を進めています。フィンランドチームに限らず、他チームへの応援もお願いします!