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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

loimulohi (遠赤外線を利用した)炙りサーモン

今年も伊達市大滝区の藤田さんのところでプチ夏至祭(juhannus)をやらせてもらいましたが、旧オウル大学留学生のMikko君も参加してくれて、楽しい集まりとなりました。Mikko君は最初の北大留学は19年前だったとか。

昨年に引き続き、焚き火ができるコタ(kota)の中で炙りサーモンを作りました。料理上手のJさんにすっかり任せてしまいましたが、大変おいしかったです。別に夏至祭につきものの料理というわけではありませんが、街中でやるとすぐ消防車が来ますから、フィンランドでも別荘で時間があるときにのんびり楽しみながら調理する料理かと思います。野外市場では季節を問わず炙りながら売っていることもあります。以下、これもオウル大学留学生だったJuha君から大昔にもらったレシピです:

1. 1kg以下の重さのサーモンのフィレを手に入れる(小骨も含めて骨はとっておく)。
2. 目に見えるくらい海塩あるいは粗塩を両面にふり、アルミホイルで包んで1-2時間塩漬けにする。
3. フィレに合ったサイズの木の板をさがし、6-8か所程度穴をあける。穴にあったサイズの(片側が)サーモンの皮を貫通するくらいの鋭い先端の(木の)栓を作る。
4. 木の板と栓を30分くらい水に浸しておく。
5. たき火を起こす。
6. 大部分の塩をサーモンの表面から払い落とし、栓で皮の側が板に固定されるよう、すなわち切り身の側から栓を突き刺す。
7. スタンド(=木の板)に固定したサーモンのフィレを、鮭の表面を触ったときに5秒くらい手が我慢できるくらいの距離に置く。ただしあまり遠くに置かないように。
8. 調理の最初にサーモンの表面に油、あるいは溶かしたディルバター(ディルを刻んだものとバター、塩を混ぜたもの)を塗っておく。ディルバターを使う場合は、お好みで二、三度余計に塗りこんでもよい。
9. 魚の表面がかなりカリカリになるくらいまで、45分から1時間半程度焼く。

後から見た様子

「追いディルバター」がおいしさを増します

                                     

 

varpunen (イエ)スズメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時期スズメの姿が全く見えなくて心配していましたが、最近は家の近くでカラスを警戒しながら飛び回っているスズメを頻繁に見かけるようになりました。

GW明けのある日のこと。屋内にいると壁からガサガサと音がします。数年前の冬、ドブネズミ(rotta)が家に侵入したのを立て続けに2匹退治したことを思い出し、ちょっと気が重くなったのですが、どうも様子が違います。

寝室の換気口のある場所の近くからいつも音が聞こえてきます。外に出て見てみると、張り出している換気口の下部が壊れています。どうやらスズメがお宿にしているか、巣を作ってヒナをかえそうとしているようです。ありがたいことに夜は音は聞こえてきませんが、朝になるとガサガサ、あるいはそのうちバタバタと羽ばたきの音も聞こえてきました。聞こえてくる音は「チュンチュン」とか「ピーピー」ではなくて、少しかん高い「キーキー」といった声が中心です。その後、巣に出入りする親スズメの姿も目撃しました。間違いなしです。

一週間ほど前の朝、複数の羽ばたきの音を最後に、音はほとんど聞こえなくなりました(その後たまに仮の休憩所に使っているスズメを除くと)。外の換気口の下にはフンや巣の一部と思われるわらくずの塊が落ちていたので、ヒナたちは飛び立って行ったようです。高いハシゴがないと外の換気口の交換はできないので、今年程度の使用状況なら来年もスズメに貸してあげようと思っています。

フィンランド語ではスズメはvarpunen、日本で見かけるスズメより少し大型で、正式にはイエスズメのことのようです。日本のスズメはpikkuvarpunenというのが正しいようですが、varpunenで大丈夫でしょう。‐nen終わりの語ですから、「2羽のスズメ」はkaksi varpusta(単数分格)、「たくさんのスズメ」はmonta varpusta(単数分格)かpaljon varpusia(複数分格)です。

親スズメ?

Hyvää syntymäpäivää, Seija! 誕生日おめでとう、セイヤ!

いつもバス停に迎えに来てくれました(2003夏)

今日は私の恩師川上セイヤさんの誕生日です。Hyvää syntymäpäivää!

どこかで、おそらく昔のこのブログ欄で書いたかと思いますが、5月最終日が平日なら基礎学校(小中学校)の終業式だったので、長い夏休みを前に、この日が待ち遠しくて待ち遠しくてたまらなかったと、よくセイヤさんは言っていました。

数日前からセイヤさんはフィンランドにおり、7月上旬に帰札しますが、数週間前に、これが最後の里帰りになるだろうと手紙が来ました。

Tämä on viimeinen matkani Suomeen: vielä kerran haluan hähdä ne “valkeat yöt” ja kukkivat suopursut.
「これが最後のフィンランドへの旅です:もう一度「白夜」と咲いているイソツツジが見たいです。」

先生、どうぞ最後のフィンランドでの夏を満喫してください。

Hokkanen三姉妹(左からSirpa(次女)、Tuula(三女)、Seija(長女) )

7年前の写真ですが皆でmölkky楽しんでいました

junamatka 列車の旅

只見駅で

只見町内で

この冷たい蕎麦が絶品、コゴミの漬物はサービス!

昔は飛行機(lentokone)の旅が嫌いだった(怖かった)ので鉄道の旅が大好きでした。鉄ちゃんや鉄子という用語が生まれる前から、鉄分多めだったと思います。

GW前半の東北の旅、数十年ぶりに新潟の小出と福島の会津若松を結ぶ只見線に乗って夏のような陽気の一日を楽しんできました。2011年の東日本大震災から4か月後の豪雨で鉄橋が流されるなどして11年間も不通区間があった路線で、一昨年の秋に奇跡的に全線開通しました。学生時代に新潟県の区間を冬に、そして確か雪のない季節にも一度全線利用したはずなのですが、あとの方の旅についてはほとんど記憶がありません。

小出から奥会津の只見へ、只見で2時間強の乗り換え時間に駅周辺を散歩して、駅前でおいしい蕎麦を食べてから、トロッコ車両の「風っこ」に乗り込みました。

11年間もの長い不通の後、よくレールが一本に再びつながったものです。鉄道網がすっかり歯抜けになってしまい、フィンランド協会の支部もある名寄から稚内までの宗谷本線さえ廃止論議が出ている(JR)北海道では考えられないような復活劇です。六角さんの「ディーゼル」を口ずさみたくなるような、新潟側の素朴な田園風景、福島側の川沿いの美しい景色が楽しめた旅でした(歌に出てくる海岸線は走らないけれども)。紅葉の季節もきれいなんだろうなあ。

 

「風っこ」号車内

只見駅停車中の「風っこ」号

lakka 漆、クラウドベリー、鳩小屋…

弘前にて

GW前の金曜日から数日、津軽地方と会津地方に旅行してきました。この両地方はいくつか共通点があります。まずお城(linna)、それからよく馬肉(hevosen liha)を食べること、それから漆器、漆芸で有名なこと。津軽塗と会津塗ですね。

漆芸や漆器はlakkatyö(lakka「漆、ラッカー」+työ「仕事」)といえば通じると思います。lakkaは面白い単語で、辞書的には(たとえばKielitoimiston sanakirja)4つの違う意味があります。まずは①漆、ラッカー、それから②クラウドベリー(和名:ホロムイイチゴ)、他には③鳩小屋、天蓋(てんがい)、④ガンマ(γ)ブチロラクトン(=gammabutyrolaktoni、化学式C₄H₆O₂)です。私は①・②の意味は知っていましたが、③・④は今回初めて知りました。クラウドベリーは他にhillaと言ったり(suo)muurainと言ったりもします。

lakataは通常lakata+-mAstAの形で「~することを終える、~することが終わる」という意味で使えると覚えている中級以上の学習者も多いと思いますが、この動詞も「漆やニスを塗る」という別な意味があります。なので漆が塗られた食器などはlakataを受動過去分詞にしてlakattu riisikuppi「漆が塗られたおちゃわん」のように漆器をより具体的に説明することもできるかと思います。

Soul ソウル

もうGWが終わったのに、3月末の春休みの旅報告の収束を行っていませんでした。ソウルは言わずと知れた韓国(正式にはKorean tasavalta、通称Etelä-Korea)の首都。私はソウルは3度目ですが、ソウルの街自体はほとんど見たことがなかったので、今回は3泊して、全州の文(Mun)さんに勧められたポイントをいろいろと回ってきました。特に印象に残っているのが、ソウル市内ではないのですが、ソウルから車で1時間ほどで訪れることができるオドゥサン(烏頭山)統一展望台です。イムジン河(臨津江)の向こう、2㎞先には、双眼鏡を使わなくても北朝鮮(正式にはKorean demokraattinen kansantasavalta、通称Pohjois-Korea)の地と集落がはっきり見えます。

公共交通機関を使っても行けるようですが、今回はソウル在住の知人の李(Lee)さんにお世話になりました。李さんは午前中はタクシー運転手、午後は得意のドイツ語を使ってスポーツ選手のプロモーションなどを行う忙しい二重生活を送っているようです。冬はおおむね年1回ペースで札幌にスキージャンプの国際大会の飛形審判員として来てくれます。文さんに比べると無骨な感じの人という印象だったのですが、「ドイツのお客さんが来ると必ずここ(統一展望台)へ連れてくるんだよね。彼らも同じような歴史を経験しているからね。」と語ってくれたこと、格好いいタクシーを運転する彼にカメラを向けると満面の笑みでポーズをとってくれたのが忘れられません。

ソウルは英語ではSeoulと表記すると思いますが、フィンランド語は発音に忠実にSoulと表記することが多いです。外国の地名でフィンランド語ではめったに終わらない子音のl終わりですから、後ろに母音のiをつけて、Souliin「ソウルへ」, Soulissa「ソウルに/で」, Soulista「ソウルから」のように格変化させます。

ハイ、春休みの旅報告終了です。機会があればGW前半の旅報告もと思っています。

Jeonju 全州

全州韓屋村にて

全州(チョンジュ)は人口約65万人、全羅北道の道庁所在地、私の友人Mun(文)さんの住む街でもあります。朝鮮王朝の初代国王、李成桂(イ・ソンゲ)は全州の出の全州李氏という氏族だそうで、歴史好きには魅力たっぷりの街です。旧市街の韓屋村は韓国中から観光客を集め、私が訪れた3月23日は桜の開花の少し前という時期ではあったのですが、とても多くの観光客が韓服をレンタルしてドラマの撮影地などでポーズをとっていました。

全州は食の街でもあります。全州ビビンパは全国にその名を知られています。Munさんによると特に美味しい有名店が4店あるそうで、その中の1件に昼食時に連れて行ってもらいました。全州から西へ1時間ほど行った群山で見た美しい日没や、レストラン前にいたかわいい猫も忘れられません。

 

崩すのがもったいないけどしっかり混ぜて食べます

Munさん夫妻と群山の夕日

フィンランド語とまたまたまるで関係なくなってしまったので、無理やり一つネタを提供。ホテルの近くにあった、何屋さんかわかりませんがBang bangという店の韓国語の表記が、店の前を通る度に2頭のトナカイ(kaksi poroa)に見えて見えて仕方がなかったんです。皆さんはどう思います?

全州市周辺には美しい海岸や馬耳山、チーズテーマパークといった名所がたくさんあります。これらの名所についてはきっとガイドブックや各種検索エンジンで概要を知ることができるでしょうから写真なども割愛しますね。

 

Jinhae-gu 鎮海(チネ)区

鎮海は釜山西部バスターミナルから1時間強の港町(現在は昌原市の一部)、桜で有名だから行ってみるといいよと旅行前から韓国の友人に勧められていました。出向いたのは3月21日。桜はちょっと時期が早く、何本か満開の木があっただけでしたが(札幌に大きく先んじて花見ができたので、それで満足)、数日後に始まる桜祭りの準備に町中が追われていました。

鎮海は旧日本海軍が計画的に作った軍港都市、このことは知りませんでした。鎮海湾は日露戦争の日本海海戦に際して、連合艦隊の集結地だったとのこと。 市の中心部にあるロータリーをはじめ、往時の日本の都市計画の姿や日本時代の家屋をところどころに見ることができました。

町の中心部からそう遠くない鎮海タワーからは変化に富んだ入り江を遠望でき、タワー内の展示では日本語で書かれた資料も展示されていました。

ここまでフィンランド語が全く出てきませんでした。海軍は「海」+「力(複数形)」のmerivoimat、陸軍は「土地、地面」+「力(複数形)」のmaavoimat、空軍は「空気、天気」+「力(複数形)」のilmavoimat。軍隊はarmeijaです。

 

Busan (jatkoa) 釜山(続き)

韓国の旅の報告、釜山から全州に歩を進めようとかと思いましたが、釜山は本当に魅力的な街で、まだまだ紹介したいこともあるので、osa 2(パート2)とします。市場特集です。

私は国内旅行でもすぐにスーパーに行って食品の品揃えを確かめながら、その地域の食生活や食文化を想像するのを楽しみにしているのですが、釜山ではさまざまな市場があり、それを巡るだけでも1日はつぶれてしまいます。市場はtori、覚えやすい単語ですが、複数分格のtorejaに変化すると辞書形がつかみにくくなりますね。toriは野外市場、本質的には「広場」を意味する語なので、「市場へ」、「市場に」、「市場から」はL系の外部格torille, -lla, ltaを使います。

日本人が「市場」と聞いてイメージすることが多い「屋内市場」はkauppahalli(「店」+「ホール」)、こちらはS系の内部格kauppahalliin, -ssa, staを使います。それでは釜山の市場の写真をご鑑賞ください。

国際市場

富平カントン市場1

富平カントン市場2

富平カントン市場夜市

チャガルチ海岸路の干物市場

チャガルチ(屋内)魚市場

Busan, kaunis satamakaupunki 釜山、美しい港町

新年度に入りました。今年度もよろしくお願いします。

春休み中に3度目の韓国へ行ってきました。主目的はJeonju(全州市)在住の韓国人の友人とその家族に会うことだったのですが、せっかくですので全州の他に、釜山とソウルも観光してきました。

釜山は初訪問、人口は300万を超え、札幌の1.5倍以上の人口がある大都市ですが、活気ある美しい港町でした。地下鉄網が整備されているだけでなく、駅の出口の表示やエレベーターがよく整備されていて、同行した母がずいぶん助かると感謝していました。天気にも恵まれ、食べ物もおいしく、最初の4日間を楽しむことができました。

写真はまず韓国1枚目の写真、ウナギ(ankerias)を結構食べるんですよね、韓国の人は。市場でもよく見かけました。それからロッテデパートの屋上(無料で行けます)からの眺め、そしてゴミ一つない松亭海水浴場の写真です。

釜山はフィンランド語ではBusan、母音のiを加えて、Busaniin「釜山」, Busanissa「釜山」のように格変化させます。

機会があれば全州とソウルへの旅も紹介したいと思っています。