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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

kansallispuisto 国立公園

北海道の新しい国立公園の名称が長すぎるのではと論議を呼んでいますが、フィンランド語では国立公園はkansallispuistoです。puistoが「公園」なのは多くの学習者の語彙に入っていることを願いますが、前半部分のkansallis-はkansallinen「国民の、国立の」という形容詞が複合語で使われるときの形で、同様なものとしてpohjoinen「北、北の」が複合語になるときはpohjois-という形を使います。たとえばわれわれにとってちょっと厄介な隣人(ああ、今日ちょうどなでしこジャパンとの一戦がありますね)は通常Pohjois-Koreaと言います。kansallismuseo「国立博物館」なども知っていると便利な語です。

写真はTampereからそうは遠くない、しかし車がないと訪問が難しいSeitseminen国立公園の入り口の看板ですが、フィンランド語では通常「~の国立公園」と言うので、Seitsemisen kansallispuistoと属格で表記する方が普通かもしれません。なので「大雪山国立公園」はフィンランド人ならTaisetsuzanin kansallispuistoと「ん」の音のあとに母音iを挟んで、属格のサイン-nを付けて言ったり書いたりする人が多いと思います。

presidentinvaali(t) 大統領選挙

決選投票前日、Arabiaのデザイン美術館前の公園

2月は私にとっては稀有なヘルシンキ出張(現地滞在実質4日間)、その後のW杯男子ジャンプ(札幌大倉山競技場)の手伝いなどイベントが続き、それらのために休講にした授業の振り替えなどでまだあたふたしています。

ヘルシンキ滞在中の10日に大統領選の決選投票がありました。投票率は約70%(直接投票)、新大統領となるAlexander Stubb氏の得票率が51.6%、対抗馬のPekka Haavisto氏の得票率が48.4%と大接戦でした。決選投票前にはHaavisto氏がかなりの追い上げを見せており、決選投票があと1週間遅かったらHaavisto氏が新大統領になっていたかもしれません。

投票日の日曜日はヘルシンキもマイナス15度近い冷え込み、内陸部はもっと冷え込んだ地域もあったようで、これが投票率に影響を与えた可能性もありそうです。

私が感心したのは、日曜日の午後10時頃にはすでに開票率100%になっていたこと、そして日本ではありえない、無効票の内容の一部がすぐに翌日の紙面に写真入りで紹介されていたことです。決選投票には進めなかった候補者名の他、「ドナルト・トランプ」、「ドナルドダック」、投票用紙に自分の意見や詩を書いている有権者もいました。1回目の投票に比べると無効票の割合は増えたそうです。

現地で知人がStubb氏の顔写真を拡大してビアスの穴の跡を示しながら「フィンランドでは男性のピアスも別に問題ないけど、大統領候補ということで、一応外して写真撮影したかな」とコメントしていました。

おすすめテレビ番組情報:2/10土 21:30

会員の皆さまに見ていただきたいテレビ番組が放送されます。当協会とも縁深いオウル大学が紹介され、解説として元北大留学生のエルッキさんが出演します。お見逃しなく!

2/10(土)21:30-22:00 (初回放送)
2/14(水)0:55-1:25(再放送)

Eテレ「ニュー試 フィンランド オウル大学」
https://www.nhk.jp/p/newshi/ts/3MWXJL2V4J/

世界各国の入試問題やキャンパスライフを紹介し、その国の教育・人材について知る知的エンタメ番組。
問題「サンタを信じている子の前で、サンタを強く否定する子どもが…あなたが教師ならどうする?」▽フィンランド・オウル大学の教員養成学部の模擬試験に挑戦!…問われるのは子どもの「考える力」を育てる資質▽子どもがなりたい職業1位は「教師」!フィンランドの小学校に潜入▽職員会議は年4回?授業や教材も自由?…教師の裁量の大きさに松丸亮吾、奥森皐月も驚き▽教育実習の学生に密着…考える力を育むオリジナル授業

北海道フィンランド協会関東支部 髙井梨絵

2024モルック世界大会in函館 外国語ボランティア募集!

2024年4月11日開講、フィンランド語講座入門コース担当の水本先生から「外国語ボランティア募集」のお知らせです。


日本モルック協会が8月23日(金)~25日(日)に開催する「2024モルック世界大会in函館」で、ボランティアスタッフ、特に外国語対応ボランティアを募集しています。

お弁当支給だけのボランティアなので、基本的には函館圏在住の方への呼びかけなのですが、モルック発祥のフィンランドからはそれなりの人数のフィンランド人来訪が予想されるため、日本モルック協会事務局から当協会語学講座へ打診がありました。交通費・宿泊費は自己負担ですが、この機会に函館観光・フィンランド人との交流も期待して「②外国語対応」ボランティアスタッフとして活動希望する方がおられましたら、奮ってエントリーください。日常会話程度の英語力、あるいは、片言のフィンランド語力で大丈夫です。詳細は添付の画像をご覧ください。

北海道フィンランド協会専務理事(フィンランド語講座担当) 水本 秀明

「死者のカルシッコ フィンランドの樹木と人の人類学」

2024年4月11日開講、フィンランド語講座入門コース担当の水本先生オススメの書籍をご紹介します。

(水本先生)
協会員の方へは協会誌Auroraと合わせてチラシを封入したのでご覧になった方もおられるかもしれませんが、語学受講生で北海道大学助教の田中佑実さんの「死者のカルシッコ フィンランドの樹木と人の人類学」が昨年12月北海道大学出版会から発刊されました。非常に興味深い内容なので一読をお勧めしたい書籍ですが、定価がちょっと高いので二の足を踏まれている方、どんな内容か興味があるといった方のために:
https://note.com/hokkaido_up/
から序章の試し読みと田中さんのコラムを読むことができます。書籍購入の参考になさってください。