5月 | 2021 | フィンランド語講座
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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

kissaihminen vai koiraihminen? 猫派、それとも犬派?

私は昔はkoiraihminen、今はkissaihminenです

コロナ禍の中、昨年度は留学生連中がオンライン疲れしていたこともありましたが、授業へゲストを呼ぶ機会が大変少なくなっていまい、受講生の皆さんの中でも残念に思われていた人が多かったかと思います。

今年度は、授業へ参加してくれたフィンランド人への謝礼額も少し増やし、留学生には自宅で手軽にできるアルバイトも兼ね、私もネイティブの語感がないと答えられない類の質問に答えてもらったり、新しい言い回しを教わったり、生徒さんも遠隔とはいえネイティブの発音を聞け、小さな交流を深めていく場として、語学講座を活用してもらえればという考えで自分の担当コースを行っています。

先週の金曜日にはJussiとJulianaの2名が上級サークルに参加してくれました。男女のゲストが参加してくれるのは他のコース、たとえば入門コースでも好評で、同じネイティブでも微妙に発音やイントネーションが違ったりするのを聞き比べたりするのは、大変参考になるようです。

授業では「猫」+「人」=「猫派」のkissaihminen、「犬」+「人」=「犬派」のkoiraihminen(Oletko (sinä) kissaihminen vai koiraihminen?「あなたは猫派、それとも犬派?」は気軽に尋ねることのできる、また会話も弾みやすい便利な質問です)の話題のあと、結構よく使う語としてゲスト両名から、それぞれの動物の後に「熱」を表すkuumeをくっつけたkissakuume, koirakuumeという語を教えてもらいました。「猫/犬が飼いたくて飼いたくて仕方ない気持ち」のことだそうです。ここでのkuumeは「熱情」の意味ですね。vauvakuume(vauvaは「赤ちゃん」)と言うと赤ちゃんが熱を出したわけではなく、特に女性が感じる子供が欲しい気持ちのことだそうです。大変参考になりました。両ゲスト、今後も面白い表現や言い回しを教えてください!

siemen 種

キャベツ(kaali)

家に籠りきりでは気も滅入るので、今年もGW初めに作物の種をポットやプランターに植え、発芽したら一部を毎年Siljaと一緒にやっている市民農園へ、一部を伊達市大滝区の藤田さんから借りている畑に持って行って植えようと考えました。GW初めに寒い日が続いたせいか、なかなか発芽しませんでしたが、5月10日を過ぎてから、ディル(tilli)、レッドビーツ(punajuuri)、キャベツ(kaali)と次々発芽し始め、昨日になってニラ(kiinansipuli:「中国」Kiina+「の」-n+「玉ねぎ」sipuli)、それから昨年の古い種だったので発芽しないかなと案じていた長ネギ(purjo[sipuli])も発芽し始めました。

それにしても暗い気持ちになるのは種の原産国(alkuperämaa)。2種類あったキャベツの種の片方は生産地が新潟県でしたが、「札幌大球」を名乗るキャベツの種の生産地は中国、長ネギはチリ(Chile)、レッドビーツはアメリカ(Yhdysvallat)、ニンジン(porkkana)はイタリア(Italia)といった具合で、国産の種がほとんどありません。できるだけ国産の(kotimainen)種を植えたいと思っているのですが。日本の農業(maatalous)、大丈夫でしょうか。

長ネギ(purjo[sipuli])の発芽

「種」はフィンランド語でsiemen、-nenという語尾を除くと辞書形が-nで終わる名詞・形容詞はそう多くないので、格変化が少し難しい語です。「2つの種」はkaksi siementä(単数分格)、「たくさんの種」はpaljon siemeniä(複数分格)、「(1つの)種の」はsiemenen(単数属格)、「種(たち)の」はsiemenien(複数[第1]属格)あるいはsiementen(複数[第2]属格)です。

 

Tsugaru – kulkija käy kotona 『津軽』- 放浪者家に帰る

私にしては非常に稀有のことなのですが、4月27日の「ブログ」欄でやってみようかと表明した、太宰治著『津軽』のフィンランド語版をGW中に実際に読了することができました。分からない単語や表現、忘れてしまった語など山ほどあるのですが、原書で何度も読んだことがあるおかげで、蟹田でのSさんの接待ぶり、竜飛の旅館での親友N君との一夜、小泊での元子守のたけとの再会などの有名な場面を思い出しながら読むことができました。

日本独特の風習や食べ物など、訳者のKai Nieminen氏はさぞフィンランド語訳に苦労したことと思います。訳書の最後には10ページほどの説明部分があり、日本の旧国名、歴史上の人物、フィンランドではポピュラーでない食べ物などについて解説が加えられています。特に最後に注目して、数語を紹介します。

アンコウ(鮟鱇) krotti
ワラビ(蕨) sanajalka
ゼンマイ(薇) röyhysaniainen
フキ(蕗) ruttojuuri
ウド(独活) ruoka-aralia
ナメコ(滑子) pyökinkantosieni

フィンランド語も知らなかったり忘れてしまっていた語ばかりですが、蕗と独活以外は漢字でも書くことができず、日本語の難しさと、そして奥深さを感じました。

sima シマ

シマ(sima)はメーデー(vappu、フィンランドでは主に高校卒業資格取得者や大学生のお祭りで祝日)の頃よく飲まれるノンアルコール~発酵の過程で生じた微量のアルコールを含む炭酸飲料です。留学時代、ルームメートのフィンランド人からその存在を知り、彼が作ってくれたsimaを飲んだ覚えがありますが、それから長年この味から離れていました。おうち時間が長くなったので、久しぶりに作ってみようと思い立ちました。

室温で発酵中(瓶詰めする前段階)

作り方は簡単で、約2リットル弱のsimaを作るのに、
水:1.5リットル
レモン:小1個
ドライイースト:2g
グラニュー糖:100g
ブラウンシュガー:100g
レーズン:適量
1)半量の水を沸騰させ、2種類の砂糖とスライスしたレモンを加え、砂糖が完全に溶けるまで混ぜる。
2)残りの水を加え、人肌くらいの温度になったらイーストを加え、完全に溶かし、24時間そのまま室温で放置。
3)きれいに洗ったペットボトルに濾して7~8分目まで(発酵するので)移し、少量の砂糖とレーズンを数粒加える。
4)室温で3日くらい、冷蔵庫で1週間ほど冷やしたら完成。レーズンが浮いてきたらできあがりなので、その後は冷蔵庫で保存。

1回目はイーストの量が少し多かったせいかやや強炭酸のsimaになりましたが、まあまあうまくいったと思います。現在2回目のものが冷蔵庫で発酵中です。ヘルシンキのお土産屋さんノルディスからも、sima製作キットを買ったので、後日作って飲み比べてみようと思います。

「発酵する」という動詞は、「行ってくる」という意味で入門~初級レベルで習うkäydäを使い、「発酵」はその動名詞(テキストss1で勉強している人は17課で履修)käyminenを使うということを知っていると便利です。