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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

Aasian pöly 黄砂

大学駐車場にて(4月13日夕方、札幌)

黄砂については何年か前に話題にしたかもしれませんが、また大規模に飛来したようなので、旬の話題として取り上げます。

昨日新年度初めての大学非常勤の授業に出かけましたが、駐車場の黒、赤、青といった色の車には軒並みほこりがはっきりと見えました。通勤途中、普段車の行列がないような場所に車の列ができていましたが、洗車場待ちの車列だとあとで気づきました。

黄砂にはいろいろなフィンランド語が宛てられているようですが、hiekka「砂」を使うことはあまりなく(keltainen「黄色」+hiekka= keltainen hiekkaと表現することは可能ですが)、pöly「ほこり、ちり」を使うことが多いようです。確かに、日本にやってくる黄砂の粒子は、スギ花粉より小さいそうですね。

Aasian pöly「アジアの 埃(文字入力していて「誇り」だったらどれだけよいことか…)」
keltainen pöly「黄色い 埃」
keltainen tuuli「黄色い 風」
ちょっと中国に責任転嫁した表現として、
Kiinan pölymyrsky「中国の 埃(の)嵐」
などが黄砂現象を説明するフィンランド語でした。

火曜初級コースの8名がテキストsuomea suomeksi 1の修了証を手にされました

3月7日の火曜初級コースの今年度最終授業はハイブリッド方式で行われ、年度初めの予定通り、入門~初級用テキストsuomea suomeksi 1のすべての内容を終了、8名へ修了証(何の権威もありませんが)が授与されました(対面での受領4名、オンライン上での受領2名、録画視聴で学習されている方2名)。

以下の皆さん、Onneksi olkoon!
Kazumi, Miwa, Junko, Kaori, Haruka, Akiyo, Kinue, MIsaki

全員女性です。今日の国際女性デー(Kansainvälinen naistenpäivä)にふさわしい報告かな。修了者の多くの皆さんとは中~上級用テキストsuomea suomeksi 2を使った中級コースでお会いできることを期待しています。

             授業担当:水本秀明

avaimenperä キーホルダー

2月7日の火曜初級コースで紹介。「鍵」avainは語彙に入っていても、「キーホルダー」はまだ、という人がほとんどかと思います。

avainperäでも通じると思いますが、「鍵」の部分はavaimen「鍵」と属格形にし、そこに続く部分は、「後、土台、端」などを表すperäを続けます。avaimen peräと分けて表記も可能ですが、写真のように1語での表記が普通かと思います。

avainのような、-in終わりの名詞は「~する道具」を表すことがほとんどなので、知っていると便利な知識です。avainは動詞avata「開ける(タイプⅣ)」道具、ということですね。他にも-in終わりで、道具を表す語と、その基になる動詞を探してみて下さい。また-in終わりの名詞はほとんどの格変化でn→mとなるので、そこも注意です。

tatuointi タトゥー・刺青

“samurai”がテーマのタトゥー

先月は3年ぶりに札幌で国際スキージャンプ大会が開催され、私も20年以上お手伝いしている関係で、3週連続(女子W杯、男子コンチネンタルカップ、男子W杯)大会のお手伝いをさせてもらいました。近年の国際大会では、スキージャンプの飛距離は、会場に飛距離判定員は配置されているものの、ビデオ判定が優先になっています。W杯ではドイツの会社、コンチネンタル杯ではオーストリアの会社がビデオ判定を請け負っているので、私はドイツ語は全くできませんが、怪しい英語でコミュニケーションを取りながら、スタッフの運転手兼通訳をやっているような次第です。

写真はオーストリア人のビデオ判定担当のSandroさんで、試合中は私は彼の隣に座って一緒に仕事をしているのですが、彼のような人と一緒にいると文化や習慣の違いを考えさせられます。すごく優しい、朝からコンビニのココアドリンクを飲んで、札幌のスープカレーも大好きというサンドロさんです。

タトゥーはフィンランド語でtatuointi、nt:nnのkpt変化がありますから「タトゥーの」(単数属格)はtatuoinninとなります。「タトゥーを入れる」tatuoida(タイプⅡ)という動詞もあります。

ystävänpäivä ja suklaa 友達の日(2/14)とチョコレート

フィンランドでは2月14日は、女性からの愛の告白やチョコレートとは縁のないystävänpäivä「友達の日」です。

Hyvää ystävänpäivää!「良い友達の日を!」とフィンランド人の友人たちにメールを送ったら、早速たくさんの返事や近況報告が来て嬉しかったです。

木曜上級コースのYukoさんから、デパートでsöpö(フィンランド語の形容詞「かわいい」)というチョコレートを見つけたので、「フィンランドのチョコですか?」と店員さんに尋ねたところ、「神戸のゴンチャロフ(製菓)の製品」と教えてくれたと情報をいただきました。日本製のチョコとはいえ、箱の内側にもフィンランド語が書いてあるこだわりようだったので、Yukoさん、すっかり嬉しくなったようで報告してくれました。Kiitos, Yuko!

Olkoon sinulle paljon onnea!は「あなたへたくさんの幸せ(onni)がありますように!」でolkoonは文法的にはなかなか難しいbe動詞ollaの三人称単数に対する命令法、私のクラスの授業を受けている方は上級コースでsuomea suomeksi 2の23課で勉強します。ただ、Onneksi olkoon!「おめでとう!」といった決まり文句でこのolkoonという形を見たことがある人は多いことでしょう。

 

Kriirien kiista 北方領土問題

知床半島羅臼側から望む国後島(2022/8/29)

「今日は✕✕の日」というのを調べるのに一時期凝っていましたが、飽きっぽい私はしばらくそのことから離れていました。

昨日(2月6日)は「風呂の日」、これは分かりやすいですが「海苔の日」でもあるようですね。そして今日は「北方領土の日」、昔は雪まつり会場でよく返還の署名運動を行っていましたが、今はどうなのでしょう。

政治的なことを書く意図は全くなく、「北方領土」、「北方領土問題」をフィンランド語でどう言ったら良いか、そこにだけフォーカスして投稿します。北海道に来るフィンランド人にたまに尋ねられる話題ですので。

「北方領土」と同義ではないのですが、通常「千島列島」はKriirien saaretと複数属格(-ien)+複数主格(-t)で説明します。「島」を表すsaariは複数変化します。「北方領土問題」の「問題」は多くの皆さんが知っているongelmaでも通じるとは思いますが、「紛争」により近いkiistaがよいでしょう。

ちなみに「樺太」はSahalin、耳慣れないフィンランド人も多少はいると思うので、Sahalinin saari「樺太(サハリン)の 島」(こちらの「島」は単数(変化)でOK)と言った方がしっかり通じるかと思います。

 

nukke 人形

-e終わりの名詞・形容詞の単数の格変化(分格を除く)は通常-ee+格語尾(例:huone「部屋」、単数分格はhuone-ttaだが、単数属格はhuonee-n)ですが、nukke「人形」はeを伸ばしての格変化にならない珍しい例です。ただしkk:kのkpt変化があるので、単数属格はnuken単数分格は nukkea、比較的よく使う複数分格はnukkejaとなります。

同様な変化をする-e終わりにはkolme「3」(単数分格はkolmea単数属格はkolmen)、itse「自身」(単数分格はitseä単数属格はitsen)、他にAnneやJanneのようなファーストネームがあります。

「指人形」はsorminukke。写真の指人形は友人Jussiの住むRuovesiのバスターミナル内で、地元の人が作った手芸品を扱う販売所で購入しました。1つ2ユーロだったと思います。かまぼこ型の白樺の木に串を指した「飾り台」も一緒に売っていましたが、荷物になるのでこちらは帰国してから100円ショップでおあつらえ向きの飾り台を購入しました。

luomu オーガニックの食品、有機農法製品

luomuはluonnonmukainen(自然(luonto)の属格+mukainen「~に対応した、一致した」)→「自然の」から作られ、1990年代にはよく使われるようになった語です。食品の安全に気を遣うのは日本もフィンランドも同じ、知っていると便利な単語です。

複合語の最初の要素としてもよく使われ、luomutuote「有機製品(農産物)」、luomuliha「有機飼育による」luomuviljely「有機農業」など知っていると便利です。写真はluomuolut「オーガニックビール」。

luomuは「整形手術をしていない人」、「豊胸手術をしていない胸」といった特殊な使い方もあるようですが、まあ、それは置いておきましょう。

parsa アスパラガス

アスパラで有名な喜茂別町は札幌市の隣町

10月25日の火曜初級コースで紹介。格変化は簡単。単数属格はparsan単数分格はparsaa。「アスパラスープ」はparsakeitto(アスパラ+スープ)ですね。私がフィンランドに留学していた90年代には缶詰のホワイトアスパラは売っていましたが、グリーンアスパラは出回っていませんでした。今はどうなんでしょうか。グリーンアスパラ好きの在日フィンランド人は多いと思います。

ついでに覚えておきたいのが、「ブロッコリー」parsakaali(アスパラ+キャベツ)。こちらも格変化は簡単で、単数属格はparsakaalin単数分格はparsakaalia。ブロッコリーも好きなフィンランド人は多いです。北大大学院のシリヤなどは、さっと茹でようとすると、「そのままの方がいい」と生で美味しそうに食べています。

neidonhiuspuu イチョウ(銀杏)

31/10/2022 最寄りの地下鉄駅に続く通り

11月1日の火曜初級コースで紹介しました。neidon(neito「乙女」)+hius「髪」+puu「木」。なかなかロマンチックな命名です。

 「種」はsiemenなので、ギンナン(銀杏)はneidonhiuspuun siemen(「イチョウ種」)いうことになります。siemenは変化が難しく、単数分格はsiemen、よく使う複数分格[テキストsuomea suomeksi 1で勉強されている方は26課で履修]はsiemen単数属格はsiemenenとなります。