*

フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

Home

Osamu Dazai 太宰治

『魚服記』中の滝のモデルとされる「藤の滝」

太宰治は高校生の時に結構ハマり、20代でも無性に読みたくなった時期があり、その後すっかり縁が切れていましたが、2012-13年度に北大に留学していたEemeliから、太宰治の『津軽』がフィンランド語訳されていることを知り、2013年の3月と2015年の桜の季節に彼と共に、太宰治と『津軽』にゆかりのある地を巡る旅をしました。

『津軽』にゆかりのある地を訪ねる太宰ファン、あるいは地元の研究家は結構いるようで、そういう人たちの訪問記などを参考にしながら、奥山へレンタカーで分け入って、たとえば『晩年』中の『魚服記』のモデルとされている滝を探したりしました。3月の旅行の終盤ではEemeliは津軽鉄道の津軽中里から五所川原までストーブ列車で移動、私は昔乗ったことがあったのでレンタカーで移動、列車も車も猛吹雪で一時立ち往生、列車の方が少し立ち往生の時間が長かったですが、無事に五所川原の駅で再会できて安堵したことなどが懐かしく思い出されます。

現在札幌の中島公園にある北海道立文学館で「太宰治 創作の舞台裏」という特別展示が行われています。先週中島公園近くにあるフィンランド協会で事務処理があった時のついでに、この特別展示を見てきました。根気のない私にしては珍しく長く1時間くらいは会場にいたでしょうか。その間来訪する人も2,3人で、ゆっくり創造のプロセスを鑑賞することができました。太宰ファンでなくても、興味を引かれる展示だと思います。

Kai Nieminen訳のTsugaruは、このタイトルではフィンランド人が何のことかさっぱりわからないであろうことを考えてKULKIJA KÄY KOTONA「放浪者家に帰る」的なサブタイトルがつけられています。GW中に何年かぶりにフィンランド語で『津軽』読んでみようかな。