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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

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kuningatar 女王

イギリス、日本、二つの国葬(valtiolliset hautajaiset)が終わりました。

「女王」は残念ながらnainen「女性」+kuningas「王様」のコンビネーションではなく女性を表す接尾辞の-tArが入っている語です。 単数属格はkuningattaren複数主格はkunigattaret単数分格はkuningatarta複数分格はkuningattariaです。辞書形(単数主格)と単数分格以外はtt:tの逆kpt変化があります。

昔の文献などにはopettajatar(opettaja「先生」+接尾辞-tar =「女先生」)、sairaanhoitajatar(「看護師」+接尾辞-tar =「女性看護師」)といった語も見受けますが、この-tarという接尾辞は時代とともに廃れつつあり、この「女王」といった語で細々と生き続けています。

とはいえ死滅したわけではなく、すばらしい女性シンガーを「歌手」のlaulaja(男女ともに使うこと可)ではなくあえて「歌姫、ディーバ」の意味でlaulajatarと紹介したりする用法はたまに見かけます。

中級以上の方は、「女王」と合わせて、「王様」kuningasの格変化も研究してみると良いかと思います(こちらはnk:ngのkpt変化が関係する語です)。