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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

ensilumi 初雪

tarhaneilikka(11月25日朝)

いよいよ札幌にも雪(lumi)の季節がやってきました。日本気象協会によれば札幌の初雪は今月19日だったそうですが、私がひらひら舞う雪片(lumihiutale)をたくさん見たのは24日、朝我が家の小さな庭がうっすらと雪で覆われていたのが翌25日、そして今日の早朝は霰(rae)やみぞれ(räntä)も降ったようで、家の周りは3-5cmくらいの雪やみぞれに覆われています。

5月の母の日の後、鉢から庭に植え替えられていたカーネーション(neilikka:ナデシコの類)の小さな花がうっすらと雪に覆われた庭で咲いている姿がなんとも不思議でした。ちなみにカーネーションは親孝行の妹から母への贈り物でした。

neilikkaにはスパイスのクローブ(丁子、丁字)の意味もあるので、区別するためにそれぞれ前にtarha(庭)、mauste(スパイス)をつけて、tarhaneilikka、mausteneilikkaとすることもあるようです。

muki マグ(カップ)

残念ながら作品撮影NGでした

先週末、札幌芸術の森の工芸館に展示されている木曜中級コースの柴田祐子さんの作品を見に行きました。悪天候の夕方でしたが、週末で、コロナ感染状況も少し落ち着いていたこともあってか、晩秋のエリア散策も兼ねてのお客さんが結構いました。

柴田さんの金工も相変わらず素晴らしく、目の保養になっただけでなく、他の芸術家の方のテキスタイル、陶芸、木工、ガラス工芸などの作品、それからさまざまな素材で作られたマグカップの展示「マグカップの森」があり目を引きました。ここでも柴田さん制作の銅製のビアマグに惹かれました。臨時収入が入ったらぜひ自分へのご褒美に購入したいものだと真剣に購入を考えています。展示は来年1月中旬まで行われています。

マグはフィンランド語でmuki、テキストsuomea suomeksi 1のs165にも載っている典型的な借用語です。「典型的」というのは:
①フィンランド語ではgの音で終わる語はなく、またgの音を単独で使うことはない(Helsingissä「ヘルシンキで」のようにngの子音の連続としてはたまに現れますが)ので、英語のgの音はフィンランド語ではだいたいkになっています。他の例としては、「虎」tiger→tiikeri、「ギター」guitar→kitaraなどが挙げられます。
②フィンランド語は子音終わりが多いゲルマン語系の言語から借用する時には母音、特に-iをつけて借用することが多いのです。

愛用のマグ(Marimekkoのhauki「キタカワカマス」)

このような成り立ちから成立したmuki、借用語なので、kpt変化(ここではk:Φ[消える])を起こしません。したがって「マグの」(単数属格)はmukin、「たくさんのマグ」はmonta mukia(単数分格)かpaljon mukeja(複数分格)とkが保持されたままとなります。複数分格形が少し難しいかもしれませんね。

 

krysanteemi 菊

11月3日実施、当協会主催の「みんな大好き!マリメッコ」のイベントが成功裏に終わってほっとしています。当協会では初めてのハイブリッド(対面とオンラインの組み合わせ)イベント、かつ2年越しの企画ということで、担当の理事・応援スタッフの皆さん、お疲れさまでした。

市内中心部の会場に向かう際に地下街オーロラタウンで菊の展示を見ました。コロナ禍のせいで小規模な展示となっていますが、様々な大きさや色、形状をした菊が並んでいる様はなかなか壮観でした。初雪(ensilumi)を待つ季節ですが、まだ秋(syksy)なんだと感じさせてくれる展示でした。

菊はkrysanteemi、後舌母音のa、前舌母音のy、中立母音のeとiが混ざった、「母音調和」に反している語です。このような際には格変化させる際に、ウムラウトのついたäを使うか、ついていないaを使うのかがちょっとした問題になりますが、結論からいうと後者になります。したがって「たくさんの菊」はmonta krysanteemia(単数分格)かpaljon krysanteemeja(複数分格)です。

菊というと、数年前カップルで札幌大学に留学していたEssiとManneが、我が家に遊びに来る前に寄ったスーパーの花屋で、うちの母への土産として白菊を買おうとしてるのを、説明の上思いとどまらせたことを懐かしく思い出しました。

ukonhattu トリカブト

国立アイヌ民族博物館のエゾトリカブトの展示

物騒なタイトルですが、こういういきさつです。今週火曜日に来道中のオルパナ駐日フィンランド大使夫妻に随行して白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)を訪れる機会があったのですが、そこでアイヌの人たちは狩猟の際にトリカブトの毒を使っていたという説明があり、そういえばトリカブトはフィンランド語でなんだっけ、10年くらい前に札幌の八剣山の麓で見かけた時に留学生に聞いた覚えが、でも忘れてしまった、と考えていた時に、一緒にいたSiljaがトリカブトはukonhattu(ukko「おじいさん」の+hattu「帽子」)だよとちょうど切り出してくれたので、思い出したという次第です。

キンポウゲ科トリカブト属のトリカブト(学名:Aconitum)は英語ではたとえばmonkshood(「僧侶のフード(かぶりもの)」)のように呼ぶそうですね。「毒」はmyrkky、「有毒な、毒のある(形容詞)」はmyrkyllinenと、どちらも発音しずらい単語ですが、知っていると便利な語だと思います。

epäonnistumisen päivä 失敗の日

なぜ10月13日か、また、どれほどポピュラーなのか確かめていないのですが、2010年から10月13日はフィンランドでは(kansallinen) epäonnistumisen päivä「(国民の)失敗の日」になっているそうです。

失敗を恐れずそれを受け入れる文化の創造、そして、人生のあらゆる分野で失敗から学ぶことができることを再確認する、といったことを目標に学生中心の若い世代が考え出した日のようです。

長靴やケーブル製造から携帯電話の最大手にのし上がり、凋落と我慢の時期を乗り越えて現在でも携帯端末や通信設備分野でがんばっているノキア社のことが思い出されました。

epäonnistumisenは動詞epäonnistua「失敗する」の動名詞epäonnistuminenの属格(「~の」)、epä-は英語だとun-、日本語だと「非~」、「不~」に相当する接頭語です。したがって動詞onnistuaは「成功する」です。テキストsuomea suomeksi 1で勉強されている皆さんは、動名詞については17課で勉強します。

写真はsuomalaisia viisauksia「フィンランドの知恵」から、写真に充てられたことわざはSe on eteenpäin, vaikka nenälleen kaatuu.大意は「鼻から倒れても、前には進んでいる。」

nitoja ホチキス、ホッチキス、ステープラー

先月のsorkkarauta(バール)に引き続き、ホチキス/ホッチキス(社名由来の名称だそうですね)、あるいはステープラーがフィンランド語で何だったか、また忘れてしまいました。一瞬klemmariという語が浮かんだのですが、写真左にあるようなクリップであることにすぐ気づきました。

この道具はnitoja、nitoa「綴じる」という動詞をベースに、「~する人、~する道具」を表す-jaを加えた語です。ホチキスを思い出したついでにホチキスの「針」はなんて言うのか調べてみました。nitomanasta(nastaは画鋲のような「鋲、ピン」)、 nitomasinkilä(sinkiläは「ステープル、U字型の留め具」)、 nitomahakanen(hakanenは「フック、留め金」)といった語があるようですが、nitomanastaがいちばん一般的なようです。「千本のホチキス針」ならtuhat nitomanastaa単数分格ですが、普通は何十本、何百本あるかわかりませんから、「たくさんのホチキス針」はpaljon nitomanastoja複数分格になります(monta nitomanastaaも可)。

一方「クリップ」ですが、paperi「紙」+動詞liittää「~を結びつける」に由来するliitin(-inは道具を表す)を合体させたpaperiliitinというのがフィンランド語っぽいですが、もっぱらスウェーデン語由来のklemmariを使っていると思います。「2個のクリップ」はkaksi klemmaria単数分格ですが、複数分格は2つの形を持っており、「たくさんのクリップ」は通常はpaljon klemmareitaですがklemmarejaという語形も存在します。煩雑であればmonta klemmariaももちろんOKです。

pieni kiva näyttely Daimarun tavaratalossa 大丸百貨店での小さく素敵な展覧会

写真提供:柴田祐子さん

あっという間に10月(lokakuu「泥の月」・・・天気が悪いことを暗示)になってしまいました。来週から週2回始まる大学での授業の準備などに追われています。

先週、木曜中級コース所属で金属工芸家の柴田祐子さんの展示即売会に行ってきました。久しぶりに生徒さんと直接会えた上に、作品の説明や制作の苦労などを伺えて、短いながらも楽しい時間を過ごせました。私は芸術的才能もセンスも全くないので、芸術家には憧れてしまいます。

せっかくですから、柴田さんが作品制作にあたって格闘する金属の名前を少し覚えましょうか。
「銅」kupari(ただし「銅メダル」はpronssimitali(青銅+メダル)
「真鍮=黄銅=ブラス(銅と亜鉛(sinkki)の合金)」はmessinki
「鉄」はrauta
です。

臨時収入でも入ればぜひ欲しいものです

syyspäiväntasaus 秋分

ソーセージ、美味しかったなあ

今日は秋分の日。日本は祝日ですが、フィンランドでは秋の一日に過ぎないので、昨日の授業でJussi君も秋分をフィンランド語で何と言うか一瞬忘れていたほどです。syysはsyyskuu(「秋の月」=9月)でもお分かりのように、syksy「秋」のこと、päiväntasausはpäivä「(1)日」をtasaus「等分」するの意味です。季節を表すフィンランド語を覚えている方は、「春分」はkevätpäiväntasausと言えばよいと察しがつくことでしょう。kevätが「春」でしたね。

一番最後にフィンランドに旅行した2017年の秋分の日はどう過ごしていたか、写真のデータから、Pohjanmaa(オストロボスニア地方)のKalajoki近くの、旧留学生Ullaのご両親の別荘にお邪魔していたことがわかりました。懐かしい思い出に浸りながら、夕方のクラスの授業の準備を進めることにします。

sorkkarauta バール

バール(フリー画像素材より)

最近は新しい単語をなかなか覚えられなかったり、知っていた単語を忘れてしまったりと、困ったものです。

文法教材の予習をしていたらsorkkarautaという語が出てきました.rautaは「鉄」、でもsorkkaの意味をすっかり忘れていました。sorkkaは豚などの偶蹄目の「ひづめ」、では鉄と組み合わせると???

sorkkarautaはバール、英語のcrowbarは「カラス」が入っていますが、豚足の方がいい感じがします(英語でもpig footと言うこともあるようですが)。rautaはt:dのkpt変化がありますから、「バール」はsorkkaraudan、「バールで/を使って」は手段を表す-llAを付けてsorkkaraudallaです。また、馬の蹄はkavioと違う語になります。

 

pyörätuolirugby 車いすラグビー

母島にて

私のささやかな夏休み(kesäloma)も昨日で終了、今日からまたクラス・個人授業とも通常のスケジュールで、授業開始です。

夏休みってあっという間に終わってしまいますね。一昨年の小笠原諸島への旅行のように、自分のいる環境を大きく変えて気分転換を図るということができなかったのは、コロナ禍の中とはいえ残念でした。でも畑仕事(peltotyö)は結構頑張ったので、しっかり日焼けしました。

夏休み後半は高校野球やパラリンピックを、かじりつくほどではないですが、結構熱心に観戦していました。

車いすラグビー(pyörä「ホイール」+tuoli「イス」+rugby「ラグビー」)、本当に面白いですね。元々若い頃はラグビーを見るのが好きで、本州在住の一時期は、毎年1月に(旧)国立競技場で行われていた日本選手権を数年続けて見に行ってました。オールドファンしかわからないかと思いますが、新日鉄釜石の黄金時代でした。

車いすラグビーは通常のラグビー以上に「分業」と「協力」というのを感じるのと、女性も参加できるのが本当にいいですね。今回の銅メダルを悔しく思っている選手も多いと思いますが、心を動かされるプレーが多かったです。3年後のパリ大会では一層良いプレーを見せてくれることを期待しています。

ラグビーはフィンランド語でもrugbyと綴りますが、発音は[ragbi]のようになります。この語に含まれている母音はu(後舌母音)とy(前舌母音)、フィンランド語学習中の方はお気づきだと思いますが、オリンピック(olympialaiset)同様、「母音調和」に反している語です。したがって多くの文法格では2種の格語尾が許されており、たとえば「~の中に/で」を表す内格-ssAでは、①発音に基づいてrugbyssa、②語末の前舌母音にハーモニーさせてrugbussäのどちらの綴りも可能です。