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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

火曜中級コースの皆さんがテキストHyvin menee 1を修了されました

火曜中級コースで勉強されている9名の方が、入門~初級用テキストHyvin menee 1(「調子いいよ1」)を4月24日修了されました(2名の方が所用のため欠席)。Onneksi olkoon!

多くの方が、入門・初級クラスでの2年間の勉強と、今年度に入ってからの3回の中級コースでの授業(計83回)で一つのテキストを修了させたことになります。このテキストはフィンランド在住の外国人向けのテキストなので、指導する側としてもなかなか使いにくいテキストでしたが、昨年度の卒業生(現在上級コースで学ばれている皆さん)に続いて修了者を出すことができ、大変うれしく思っています。

多くのフィンランド人ゲストに祝福してもらいました

多くのフィンランド人ゲストに祝福してもらいました

茶話会の様子

茶話会の様子

GW後は新テキストsuomea suomeksi 1の21課から再スタートです。こちらのテキストは途中からということもあり、2018年中の修了を目指します。

授業には6名のフィンランド人ゲストが駆けつけ、修了者を祝福するとともに、修了証授与後の茶話会で受講者と交流を深めました。

RとLの発音を磨こう

4月はフィンランド語のコースでも新入生を迎える季節。フィンランド語の発音に関してはいわゆる「巻き舌」ができなくて苦労される人が多いようです。

Rは「巻き舌」とはいうものの、「ふるえ舌」とか「たたき舌」という用語を使った方が良いのかもしれません。Rができない人は舌をこわばらせて内側へ巻き込もうとしますが、実際は舌は柔らかく使い、先端がブルブルと震えるイメージです。

Rは、TやDと音を作る場所が近いので、逆にこれらの音がRを誘発しやすいとされています。私がお勧めしてる方法は、風呂の中や寝る前など、リラックスした場面で「とろろこんぶ」、「さっぽろみそラーメン」などのラ行音を巻き舌で繰り返し言ってみるというものです。フィンランドでもRができない子どもは当然いますが、RとLで意味が変わってくることがときどきあるフィンランド語では、巻き舌ができないのは大きなハンデとなります。小学校に上がる前には矯正するのですが、kirja(「本」)、vasara(「ハンマー」)のような語を発音できるようにするために、kidrja, vasadra のようにRを誘発する音を前に加えて練習させたりします。

Rがすでに発音できる人は、逆にLも巻き舌で発音してしまう傾向にあるので注意です。またフィンランド語はLLと二個続く場合が結構ありますが、私の経験ではLの長さが足りない人が多いです。心配な方は、illalla(「晩に」)のような単語でLが十分長く発音されているか(発音をカナで書くのはあまり好きではないのですが「イッラッラ」が近いでしょう)、先生やネイティブの方にチェックしてもらってください。

フィンランド人は大文字よく使います

フィンランド人は大文字よく使います

「RとLが単語の中で近い位置にあると大変発音しにくい」ということを授業で取り上げたところ、ゲストに来ていたJussiのお母さんのSoileが写真のようなリストを残していってくれました。判読できますか?下に小文字で再掲し、主な意味を併せて記します(/は複合語の切れ目) 。RとLの区別をしっかりつけるにはよい練習材料となる語群です。これも先生やネイティブにきちんと発音できているかチェックしてもらうと良いでしょう。

parillinen 偶数の
perillinen 相続人、後継者
pikku/rilli 小指(=pikku/solmi)
pirullinen 悪魔的な、とても不愉快な
broileri ブロイラー
pulveri 粉末、火薬
pilleri 錠剤、ピル (参考:pilari「柱、支柱」)
rikollinen 犯罪の、犯罪者

Nyt pistit pahan! いいところを突いてきましたね!

今週は授業にゲストで来てくれたSiljaとNettaにいろいろ面白い表現を教えてもらいました。

Nyt (sinä) pistit pahan! pistitは動詞pistää(「突く、刺す」)の過去形、 pahanはpaha(「悪い、邪悪な、ひどい」等々)ネガティブなイメージの語の単数対格(属格)形(「~を」)ですが、「いい質問ですね、いいところを突いてきましたね」といった意味だそうです。

悪いところを刺すのだから「痛いところを突いてきますね!」という意味かと思いましたが、そうではなく、たとえば、
Mikä on (sinun) japanin kielen lempisanasi?「あなたの好きな日本語の単語は何ですか?」
のような、ちょっと答えるのに考えが必要な、でも良い質問に対してよく使うそうです。

taas iso poppoo 再び大集団

先週は北海道大学の春学期のフィンランド語入門授業が始まり忙しい1週間でした。北大のフィンランド語入門講座は2006年スタートなので、いつの間にか担当してから10年以上経ちます。

北日本では大学レベルのフィン語講座は北大でしか開設していないので、例年初回授業には45~70名程度が来てくれます。今年はなんと授業後にフィードバックを提出してくれた人が82名!昨年度秋学期に授業がなかったことも影響しているかもしれませんが、当初の70名収容の教室から授業したこともない大講義室へ急遽移動、何とか受講希望者を収容することができました。

Jussiは自己紹介の後にちゃっかりカラオケ仲間募集中と言及

Jussiは自己紹介の後にちゃっかりカラオケ仲間募集中と言及

後ろから眺めるとなかなか壮観

後ろから眺めるとなかなか壮観

配布プリントも70部しか準備していなかったので、オリエンテーションのあとゲストとして参加してくれたJuha, Silja, Ronja, JussiそしてMikaにフィン語と日本語で自己紹介をしてもらい、その間隙を縫って追加コピーをしてきました。助かったー。

最大30名までを受け入れる授業になっているので、この大集団は抽選で減らされることになります。正直、20人を超えてしまえば何人来ようがあまり関係ないので、グンと受講生が減らされてしまうのはちょっと残念。

Nikka → nakki 余市にて

先日のHeivetinlaakso「地獄谷」の記事の中で予告した、ニッカウヰスキー北海道工場(余市町)訪問の話がまだでした。DSC04891DSC04889

まずは写真を見てください。左はもちろん「ニッカ」(ブランド名)ですが、右は?答えはナッキソーセージ、一般的なソーセージ(makkara)に比べて小ぶりで、日本のウィンナーにちょっと似ています。即興の言葉遊びです。

樽(tynnyri)の背後にも注目

樽(tynnyri)の背後にも注目

帰路は小樽の田中酒造の亀甲蔵にも立ち寄ったので、Jussiのご両親は、札幌のビール博物館、小樽のウイスキー工場、小樽の酒蔵と日本の酒類についてだいぶ学ばれたはずです。

小樽田中酒造「亀甲蔵」にて

小樽田中酒造「亀甲蔵」にて

「試飲」のフィン語はmaistiaisetがいいかな

「試飲」のフィン語はmaistiaisetがいいかな

iso poppoo 大集団

3月下旬から4月上旬にかけ北大留学(半年間)のため来札した留学生5名が、11日の水曜フィンランド語サークルを訪問してくれました。サークル生6名全員が参加、一方なんとフィンランド人ゲストは上記5名に加えて、Silja, Netta, Jussi, Ronja, Mikaの5名、さらにJuhaもSkypeミーティング前に顔を出してくれました。過去最大のゲスト数かな。

新留学生左からKukka, Saija, Anna, Elina, Emmi

新留学生左からKukka, Saija, Anna, Elina, Emmi

水曜サークル生は、自己紹介やフィンランド語学習の動機などがフィンランド語で言え、また、ゲストの基本情報(出身、専攻、誕生日、趣味、好きな食べ物等々)が尋ねられるレベルなので、新しいゲストとの交流に花を咲かせていました。

授業風景

授業風景

Nettaが各人の情報をまとめてくれて大助かり

Nettaが各人の情報をまとめてくれて大助かり

Grönroos palaa! 「緑薔薇」リターンズ!

2015-16年にかけ半年間Turku大学から北大に留学していたMika Grönroos(スウェーデン語っぽい苗字ですが、純粋な?フィンランド人、苗字の意味は「緑薔薇」)君が、勤務先から夏(!)休みを取って4月9日から札幌に遊びに来ています。現在は大学時代専攻でもあった電子工学関連の会社勤務とのこと。Mika Grönroos

半年と短い留学期間ではありましたが、よく授業の手伝いに来てくれたので印象に残っているフィンランド人でした。今回もフィンランド協会の授業だけでなく、北大のフィンランド語入門の授業に来てくれるなど、大いに助けてもらいました。

15日には東北方面へ向かい、まだ見たことのない満開の桜を見てみたいそうです。25日頃フィンランドへ帰国予定。新年度でバタバタしている人達にはうらやましい限りです。

タイトルのpalaaは動詞palata(タイプⅣ「戻る」)の三人称単数形ですが、動詞palaa(タイプⅠ「燃える」)の三人称単数形でもあります。その場合は「緑薔薇が燃えている」という意味になります(そんなことになっては困りますが)。

Helvetinlaakso 地獄谷

月曜日留学生のJussiと来道中のご両親、北大現プロ(現代日本学プログラム)で勉強するSilja, Netta, Julianaと洞爺湖、登別温泉方面へ出かけてきました。

少し元気なく煙を上げる昭和新山に比べ、あちらこちらから煙が上がっている登別の地獄谷の景色は、火山がないフィンランドから初来日のJussiのご両親には印象的な風景だったようです。

Heletinlaakso (登別)地獄谷にて

Heletinlaakso (登別)地獄谷にて

「地獄」はフィンランド語でhelvetti、「谷」はlaakso、「地獄谷」は「地獄」をhelvetin「地獄の」と属格にして(kpt変化に注意!)の複合語Helvetinlaaksoが良いようです。

翌火曜日は余市のニッカウヰスキーの北海道工場他へ行ってましたが、その報告はまた後日。

Jussi君のご両親が水曜サークル訪問

熱心に授業の手伝いに来てくれている北大日本語・日本文化研究生のJussi君が、休暇で札幌滞在中のお母さんのSoileさん、お父さんのTimoさんを授業に連れてきてくれました。左からJussi, Soile, Timo

ヘルシンキの人は若者でなくてもしゃべりが早いですね。生年月日などを早口でおっしゃるのを皆苦労して聞き取っていました。お父さんの職業はkuorma-autonkuljettaja(トラックの運転手)、お母さんはkirjapainon jälkikäsittelijä(印刷所/製本所勤務)と大変長い職業名ですが、このjälkikäsittelijäは説明が大変難しい言葉です。印刷物が届いてから、裁断、製本までを行う仕事とのこと。ぴったりくる日本語の職業名はありますかね。DSC04855

受講生は、Jussiが子どもの頃手のかからないおとなしい良い子であったこと、高校時代の日本留学(千葉県船橋市)に続いて北大留学を果たしたJussiを誇りに思うし、幸せに感じている、というご両親の話にうなずいていました。

noidannuoli「魔法使いの矢」ってどんな病気?

2年前(2016/3/28)に同じタイトルで「Juha君が悩まされてるnoidannuoliって何でしょう?」とこのブログ欄に投稿したものの、答えを提示せずにいたことに気づきました。

noidannuoliは「ギックリ腰」、複合語の前半部分noidanの辞書形noitaは「魔法使い、魔女、シャーマン」の意味、後半のnuoli「矢」はnuori「若い」(形容詞)と間違えやすい/間違えられやすい(特に巻き舌が不完全な方!)ので注意です。

答えに2年かかった割には大した種明かしではなかったですが、個人的にはすっきりしました。他の言語では「ギックリ腰」はどう言うのかちょっと興味が湧きました。