kesäkurpitsa ズッキーニ
8月(elokuu=「収穫月」)に入り、例年ならそろそろ夏休みという時期なのですが、コロナ禍のおかげで夏休み開始が大学も、フィンランド協会の授業も先送りになり、バタバタと忙しく時間が過ぎていきます。どのくらいの方がこのブログ欄をたまに覗いてくださっているか見当もつきませんが、2週間くらいお休みになっていました。
弟の家族、それからSiljaと、気分転換、趣味とわずかな実益を兼ねてやっている市民農園のズッキーニが豊作です。1株しかないのですが写真はすべてその1株からとれたもので、その後もたくさん収穫しています。近所からも断れずにいくつか貰ったので、今年はズッキーニ豊作の年かな?
ズッキーニkesäkurpitsaは「夏」(kesä)+「カボチャ」kurpitsaのわかりやすい発想の複合語です。Kesäは既に語彙に入っている方も多い語かと思いますが、実はフィンランド語の東西の方言差の例としてよく持ち出される語で、このkesäはもともと代表的な東方言です。一方西方言の「夏」はsuvi。Kesäはファーストネームとして用いられませんが、Suviはよくある女性の名前です。日本なら「夏子」さん、何年か前のヘルシンキ大学からの留学生にもSuviさんがいました。
カボチャkurpitsaはいつもお世話になっているKaisa Häkkinen著『現代フィンランド語語源辞典』によれば、ラテン語のcucurbitaがスウェーデン語のkurbitsを経由してフィンランド語に入ってきた比較的古い外来語とのこと。Kurpitsaという語形の初出は1642年発行の聖書、それより前世紀のミカエル・アグリコラもカボチャに言及していますがkurbitaという形で紹介しています。
ズッキーニはフィンランドでも夏によく食べられる野菜です。