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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

noidannuoli(「魔法使いの矢」)ってどんな病気?

2016年3月28日

最近投稿を怠けていましたが、フィンランド語から離れていたわけではありません。2月、3月はフィンランド語関係のイベントが結構ありました。

052写真は上級講座卒業式後の懇親会解散間際のひとこま。(Kello on kaksikymmentä yli kymmenen. 「10時(22時)20分過ぎです。」)

ホワイトボードにJuha君の書いた文字”noidannuoli”とその下に”noita”の文字が見えます。noitaは「魔法使い、魔女」、noidanは少しフィンランド語かじったことのある方ならわかる「~の」(「単数属格」といいます)のサイン、nuoliは形容詞nuori「若い」と間違えやすいですが、「矢」です。

さて、Juha君が最近悩まされているこの「魔法使いの矢」、いったいどういう病でしょう?答えは近々このブログで。

 

 

火曜上級講座生が卒業されました

2016年3月23日

上級講座卒業2016/3/22

ゲストとご卒業の7名

 

火曜上級講座で勉強されている7名が、22日、中・上級用テキストsuomea suomeksi 2「フィンランド語をフィンランド語で2」を修了され、おおむね4年間かけてフィンランド語の主要文法の学習を終え、卒業されました。

この日はテキストの最終25課を1時間程度で終了し、その後ゲストの川上セイヤさん、Juhaさん、Siljaさんが修了証と記念品を授与しました。Chieさん、Naoさん、Wakakoさん、Kazuki君、Seikoさん、Reikoさん、Izumiさん、本当におめでとうございます。また、一区切りの卒業とはいえ、多くの皆さんが語学サークル等で引き続き勉強を続けたいとのこと、うれしく思います。

 

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修了式後はアルコールありの懇親会となり、Chieさん製作のlaskiaispulla(先月の「料理セミナー」でレシピをマスターしたもの)、Kazuki君製作のケーキもテーブルを賑わわせ、卒業生はこれまでの努力をお互い労い、ゲストとも楽しく歓談しました。

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本物のサンタクロースの運転手をやりました

 

2015年11月28日

フィンランド・ロヴァニエミ市からやってきた本物のサンタクロース(joulupukki)と小人のお手伝いさん(tonttu)の一日運転手をしました。朝9時半、宿泊中のホテルから西区の「白い恋人パーク」でのイベントへお連れし、イベント終了後27日から始まった「ミュンヘンクリスマス市」の「ロヴァニエミ市」のブースまで送りました。
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会場には整理券を受け取った限定20組の親子連れ(サンタと写真撮影の特典あり)。でも、このイベントを知らなかった買い物客や観光客もサンタと子供たちのやりとりを見学することができました。サンタさんのお話、子供たちからの質問、違う会場での写真撮影が午前午後それぞれ一回ずつあったのに加え、秋の別のイベントでサンタさんの絵を描いてくれた子供と家族を招待し写真撮影を行うというイベントも行われていました。
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この「白い恋人パーク」、車では何十回と前を通り過ぎたことがあるのですが、実際に入園したのは初めて。会場内の「チュダーハウス」2Fにはロヴァニエミ市関連のフィンランドグッズも販売されています。同じ階には昔の子供のおもちゃや蓄音機類の展示コーナーもあり、結構楽しめそうです。お菓子や料理好きの人には、工場見学やお菓子作り体験工房もおすすめかも。
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2015秋からの留学生紹介(その2)

2015年11月21日

昨日の投稿の続きです。ヨハンナさん以外は初めての紹介になるかと思います。

☆トゥルク大学→北海道大学(つづき)                    

Katri Paananen 2

お茶目なKatriさん

Katri Paananen

Katriさん

Katri Paananen(カトリ・パーナネン)さん
22歳(2月19日生)、ヘルシンキ近郊のJärvenpää(ヤルヴェンパー)で19歳まで過ごす。民俗学研究専攻。姉と弟がいる。乗馬が趣味。フィンランドの食べ物ではmakaronilaatikko(マカロニのキャセロール)が、日本の食べ物ではカレーライスとラーメンが好き。2016年春までの半年の留学期間でおいしいものをたくさん味わってみたい。
《Akiメモ》日本語はほとんどできないというKatriさんですが、写真からもわかるようになかなかお茶目な性格と見て取れました。民俗学(フォークロア)研究専攻の留学生はKatriさんが今回初めてかもしれません。

☆ヘルシンキ大学→北海道大学

Johanna Korhonen(ヨハンナ・コルホネン)さん                         

Johanna 1

美瑛「青い池」にて(Facebookで「いいね」続出とか)

24歳、ヘルシンキ出身。東アジア研究専攻で、北大では日本語・日本文化研修プログラムで勉強中。31歳の兄と28歳の姉がいる。趣味はヨガ、料理(特にベジタリアン料理)、旅行、ビールを飲むこと。動物が大好き(特に猫マニア)。好きな日本食はうどんとそば。10歳の時にポケモンと「銀牙-流れ星銀-」と出会い日本に興味を持ったとのこと。たくさん北海道旅行し、宮城の「猫島」へ行き、温泉にいっぱい入りたい。
                                                                 

Johanna 3

ピカチューのスマホ使ってます

Johanna 2

カーリングにも挑戦

《Akiメモ》これまでのヘルシンキ大学からの留学生は、勉強一筋といった真面目なフィンランド人が多かった印象がありますが、Johannaさんは勉強も遊びも120%エンジン全開のようです。

ヘルシンキ大学からは昨年度から引き続きCamilla Campbell(カミラ・キャンベル)さんがModern Japanese Language Studies Program(4年制)で学士取得を目指しています。

☆おまけ
アールト大学から北大へTommi Laine(トンミ・ライネ)君とHenri Isotalo(ヘンリ・イソタロ)君が2016年春までの予定で留学中との情報が入りました。またSilja Ijas(シリヤ・イヤス)さんが、上記カミラ・キャンベルさんと同じプログラムで勉強しているとのことです。さらに昨年度札幌大学に留学していたArto Tammenoksa(アルト・タンメンオクサ)君が、2016年春からの北大大学院編入に向け、札幌に滞在しながら準備中です。

2015秋からの留学生紹介(その1)

2015年11月20日

最近投稿できていませんでした。以下の記事は来年1月1日に発行予定のフィンランド協会誌Aurura向けに依頼された原稿を基にしています。またすでに投稿済みの留学生紹介とダブっているところもありますがご容赦ください。

☆オウル大学→北海道大学

Janne Tikkanen(ヤンネ・ティッカネン)君
オウル出身、23歳(5月29日生)。歴史専攻。3人の姉がいる。趣味は写真撮影と読書。オウル大学には今まで札幌で学んだ人が多く、評判が良かったので北大を選んだ。留学中は観光名所を巡り、いろいろと日本の食べ物に挑戦し、地元の人たちと交流したい。好きな食べ物はラーメン。
《Akiメモ》Janneは博学、勉強熱心で今は漢字の特訓中です。名字の中のtikkaは「キツツキ」の意味ですので、名字は日本語でいうと「小キツツキ」君です。

Janne Tikkanen

Janne Tikkanen君

Tuulikki Puominen(トゥーリッキ・プオミネン)さん
オウル出身、23歳(4月25日生)。地理学専攻。2人の兄、2人の姉、2人の妹がいる。趣味は手芸、編み物。留学中は温泉に行ったり、日本語の勉強を一生懸命して日本人と交流したりしたい。好きな食べ物はラーメン。
《Akiメモ》物静かで真面目な印象を受けるTuulikkiは、猫好き、お酒は飲めないそうです。名字中のpuomiは、日本語では(踏切や車止めのような)「横木」が近いと思います。

左からトゥーリッキ、ミロ、ヤンネ

左からトゥーリッキ、ミロ、ヤンネ

オウル大学からは他にLassi Päkkilä(ラッシ・パッキラ)君とInka Häkälä(インカ・ハカラ)さん、Erkki Lassila(エルッキ・ラッシラ)君が留学中です。ラッシ君は2016年春までの留学予定、インカさんは2012-13年に続き2回目の留学(経済学研究科の研究生)、エルッキ君は昨年度から引き続き高等教育推進機構の博士課程に在籍し教育学の博士号取得を目指しています。

左がインカさん、右はトゥーリッキ

左がインカさん、右はトゥーリッキ(志村大輔さん撮影)

☆トゥルク大学→北海道大学

Miro Laaksonen(ミロ・ラークソネン)君
トゥルク出身、21歳(5月1日生)。英語専攻。18歳の妹と5歳の弟がいる。趣味はギター、ベース、ピアノを弾くこと。留学中は観光名所や温泉巡りをしたい。好きな食べ物はスープカレー。ユハ(・トゥイスク氏)がトゥルク大学へ北大のプロモーションをしに来てくれたこと、フィンランドと似た気候に惹かれて北大留学を決意した。
《Akiメモ》口数はそれほど多くなく、物静かな感じを受けるMiro君ですが、趣味の音楽を通じて日本人の友人もできたようです。名字中のlaaksoは「谷」ですので、彼の名字は日本語では「小谷」君です。

Mika君(左はユハ、火曜上級講座で)

Mika君(左はユハ、火曜上級講座で)

Mika Grönroos(ミカ・グロンロース)君
トゥルク出身、26歳。電子工学専攻。年子の弟がいる。趣味はジョギングとさまざまな電子装置を製作すること。2016年2月上旬には離札するので、色々な日本食を試したり、温泉に入ったりする経験をしてみたい。また函館がきれいな街と聞いたので行ってみたい。
《Akiメモ》Mika君は積極的にフィンランド語の授業に顔を出してくれ、授業後の「一杯」にもよく付き合ってくれます。生粋(?)のフィンランド人のMika君ですが、名字はスウェーデン語由来で、grönとroosは英語ではgreenとroseですので、日本語では「緑薔薇」君です。

 

5人目は「緑薔薇」君でした

2015年10月20日

ユハ君が新しい留学生を授業に連れてきてくれました。Mika Grönroos君、近い日本語表記はミカ・グロンロースでしょうか。

ミカ・グロンロース君

ミカ君(左はユハ君)

ミカ君はトゥルク出身の26歳。トゥルク大学からの交換留学生兼研究生というステイタスで、来年の1月末まで在札予定です。電子工学が専門で、lenkkeily(ジョギング)と専門分野を駆使して各種装置(たとえばLEDなどを使って)を作るのが趣味だそうです。先日の水曜上級サークル訪問時は、生徒さんのインタビューに対し、「温泉に入りたい」、「函館がきれいな街と聞いたので訪問してみたい」、「いろいろな食べ物を味わってみたい」等々抱負を語ってくれました。

Grönroosはスウェーデン系の名前ですが、名字がスウェーデン系なだけで、ミカ君自体は生粋のフィンランド人です。grönは「緑」(英語ならgreen)、roosは「薔薇」のことです。このなかなかロマンティックな「緑薔薇」さん、珍名というほどではなく、VRK(住民登録センター)によれば、フィンランドには二千人を超える「緑薔薇」さんがいるようです。

「ン」が「ソ」っぽいのであとでみんなで直してあげました

「ン」が「ソ」っぽいのであとでみんなで直してあげました

ミカ君、先日は洗剤と間違えてブリーチを洗濯機の中に入れてしまったそうで、大変でしたね。

フィンランド人の名字(sukunimi)

フィンランドで最もポピュラーな名字トップ10!

2015年10月5日
Väestörekisterikeskus(VRK、おおむね「住民登録センター」に相当)の今日(10月5日)のデータを参照しました(カッコ内は人数)。
第1位 Korhonen (23286) 語源はおとといのブログで紹介しました
第2位 Virtanen (22988) 同上
第3位 Mäkinen (20985) mäkiは「丘、岡」
第4位 Nieminen (20944) niemiは「岬、半島」
第5位 Mäkelä (19555) 第3位同様mäkiに関係あり、-la/läは「~があるところ」という接尾辞
第6位 Hämäläinen (19109) Hämeはタンペレ、ハメーンリンナなどがある「ハメ地方」、
     hämäläinenは「ハメ地方の人」
第7位 Laine (18718) laineは「波、うねり」
第8位 Heikkinen (17902) Heikkiは男性のファーストネーム
第9位 Koskinen (17736) koskiは「瀬、急流」
第10位 Järvinen (16795) järviは「湖」

湖の国だけあって水に関係ある苗字が多いですよね。このVRKのウェブサイトではそれぞれの名字の人が現在外国に何名住んでいるか、といった情報までわかります。新留学生の苗字ですとJohannaさんの名字であるKorhonenさんは外国に1025人、Miro君の名字Laaksonen(「小谷」君)は合計9578人(うち外国に399人)、Janne君の名字Tikkanen(「小キツツキ」君)は合計5644人(うち外国に360人)、Tuulikkiさんの名字Puominenはぐっとレア度を増して合計79名、この位珍しい名前になると個人情報保護の観点から、このうち何名が外国在住かは表示されなくなります。

名前についてはファーストネームも含めて、またいろいろ紹介したいと思っています。

 

 

4人ともnenでした

2015年10月3日

Janne Tikkanen (ヤンネ・ティッカネン)
Tuulikki Puominen (トゥーリッキ・プオミネン)
Miro Laaksonen (ミロ・ラークソネン)
Johanna Korhonen (ヨハンナ・コルホネン)
フィンランドの大学からこの秋北海道大学に留学予定の5名のうち4名とコンタクトがとれました。全員今週授業に来てくれました。

新留学生1

左からJanne君、Miro君、Tuulikkiさん

-nenはフィンランド人の苗字の代表的な語尾で、よくその意味を尋ねられます。その際は「『~ちゃん』に相当する、小さい、かわいいといったニュアンスをもつ縮小辞(指小辞)です。」と説明しています。
一例は:
poika「少年」→poikanen「小さな、かわいい坊や」(poikanenは「おたまじゃくし」の意味もあり)です。

新留学生2

Johannaさん

では-nenの前の部分は? tikkaは「キツツキ」なのでJanne君の苗字は「小キツツキ」、puomiは「柵、横木、往来止め」(踏切で下りてくるバーのようなイメージです)Tuulikkiさんは「横木ちゃん」かな。laaksoは「谷」なので、Miro君はズバリ「小谷」君、korhoは辞書には載っておらず語源は諸説あるのですが、Johannaさん本人も語っていたように、「耳の聞こえの悪い人」というのが有力な説の一つです。Mykkänenという苗字(mykkäは「口がきけない人」)もあるようにこの語源は特にフィンランドの苗字では驚くべきものではないですが、特筆すべきはKorhonenはフィンランドで最も多い苗字です。2009年にそれまで第一位だったVirtanen(virtaは「流れ」)を抜いて一位に躍り出ました。ということで、Korhonenはフィンランドの「佐藤」さんということになります。