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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

Jeonju 全州

全州韓屋村にて

全州(チョンジュ)は人口約65万人、全羅北道の道庁所在地、私の友人Mun(文)さんの住む街でもあります。朝鮮王朝の初代国王、李成桂(イ・ソンゲ)は全州の出の全州李氏という氏族だそうで、歴史好きには魅力たっぷりの街です。旧市街の韓屋村は韓国中から観光客を集め、私が訪れた3月23日は桜の開花の少し前という時期ではあったのですが、とても多くの観光客が韓服をレンタルしてドラマの撮影地などでポーズをとっていました。

全州は食の街でもあります。全州ビビンパは全国にその名を知られています。Munさんによると特に美味しい有名店が4店あるそうで、その中の1件に昼食時に連れて行ってもらいました。全州から西へ1時間ほど行った群山で見た美しい日没や、レストラン前にいたかわいい猫も忘れられません。

 

崩すのがもったいないけどしっかり混ぜて食べます

Munさん夫妻と群山の夕日

フィンランド語とまたまたまるで関係なくなってしまったので、無理やり一つネタを提供。ホテルの近くにあった、何屋さんかわかりませんがBang bangという店の韓国語の表記が、店の前を通る度に2頭のトナカイ(kaksi poroa)に見えて見えて仕方がなかったんです。皆さんはどう思います?

全州市周辺には美しい海岸や馬耳山、チーズテーマパークといった名所がたくさんあります。これらの名所についてはきっとガイドブックや各種検索エンジンで概要を知ることができるでしょうから写真なども割愛しますね。

 

Jinhae-gu 鎮海(チネ)区

鎮海は釜山西部バスターミナルから1時間強の港町(現在は昌原市の一部)、桜で有名だから行ってみるといいよと旅行前から韓国の友人に勧められていました。出向いたのは3月21日。桜はちょっと時期が早く、何本か満開の木があっただけでしたが(札幌に大きく先んじて花見ができたので、それで満足)、数日後に始まる桜祭りの準備に町中が追われていました。

鎮海は旧日本海軍が計画的に作った軍港都市、このことは知りませんでした。鎮海湾は日露戦争の日本海海戦に際して、連合艦隊の集結地だったとのこと。 市の中心部にあるロータリーをはじめ、往時の日本の都市計画の姿や日本時代の家屋をところどころに見ることができました。

町の中心部からそう遠くない鎮海タワーからは変化に富んだ入り江を遠望でき、タワー内の展示では日本語で書かれた資料も展示されていました。

ここまでフィンランド語が全く出てきませんでした。海軍は「海」+「力(複数形)」のmerivoimat、陸軍は「土地、地面」+「力(複数形)」のmaavoimat、空軍は「空気、天気」+「力(複数形)」のilmavoimat。軍隊はarmeijaです。

 

Busan (jatkoa) 釜山(続き)

韓国の旅の報告、釜山から全州に歩を進めようとかと思いましたが、釜山は本当に魅力的な街で、まだまだ紹介したいこともあるので、osa 2(パート2)とします。市場特集です。

私は国内旅行でもすぐにスーパーに行って食品の品揃えを確かめながら、その地域の食生活や食文化を想像するのを楽しみにしているのですが、釜山ではさまざまな市場があり、それを巡るだけでも1日はつぶれてしまいます。市場はtori、覚えやすい単語ですが、複数分格のtorejaに変化すると辞書形がつかみにくくなりますね。toriは野外市場、本質的には「広場」を意味する語なので、「市場へ」、「市場に」、「市場から」はL系の外部格torille, -lla, ltaを使います。

日本人が「市場」と聞いてイメージすることが多い「屋内市場」はkauppahalli(「店」+「ホール」)、こちらはS系の内部格kauppahalliin, -ssa, staを使います。それでは釜山の市場の写真をご鑑賞ください。

国際市場

富平カントン市場1

富平カントン市場2

富平カントン市場夜市

チャガルチ海岸路の干物市場

チャガルチ(屋内)魚市場

Busan, kaunis satamakaupunki 釜山、美しい港町

新年度に入りました。今年度もよろしくお願いします。

春休み中に3度目の韓国へ行ってきました。主目的はJeonju(全州市)在住の韓国人の友人とその家族に会うことだったのですが、せっかくですので全州の他に、釜山とソウルも観光してきました。

釜山は初訪問、人口は300万を超え、札幌の1.5倍以上の人口がある大都市ですが、活気ある美しい港町でした。地下鉄網が整備されているだけでなく、駅の出口の表示やエレベーターがよく整備されていて、同行した母がずいぶん助かると感謝していました。天気にも恵まれ、食べ物もおいしく、最初の4日間を楽しむことができました。

写真はまず韓国1枚目の写真、ウナギ(ankerias)を結構食べるんですよね、韓国の人は。市場でもよく見かけました。それからロッテデパートの屋上(無料で行けます)からの眺め、そしてゴミ一つない松亭海水浴場の写真です。

釜山はフィンランド語ではBusan、母音のiを加えて、Busaniin「釜山」, Busanissa「釜山」のように格変化させます。

機会があれば全州とソウルへの旅も紹介したいと思っています。

herne エンドウマメ(グリーンピース)

留学時には大変お世話になりました

2月末の月曜初級コースの最終授業で紹介。herneから作ったスープ、hernekeittoはフィンランド人のソウルフードの一つではないかと思います。herneは-e終わりなので単数属格はherneen単数分格はhernettä複数分格はherneitä複数属格はherneiden / herneittenと少し難しい変化になります。

昔からtorstai(「木曜日」)はhernekeittoを食べる日と言われていて、今回その理由を調べてみました。有力な説として、何百年も前に遡るのですが、 宗教改革前のフィンランドでは、カトリック教徒にとって金曜日は断食の日でした。そのため、木曜日にはできるだけ栄養価が高く、腹持ちの良いものを食べなければならず、エンドウ豆のスープが格好の食事となったようです。

なお、「大豆」はsoijapapu(「醤油(正確にはsoijakastike)」+「豆」)、「豆乳」はsoijamaitoです。こちらも知っていると便利です。

puolukka コケモモ

2017年9月5日Ruovesi町で

2月24日の月曜初級コースで紹介。ベリー類は-kkAで終わる語が多いですが、イチゴやブルーベリーは皆さんの語彙に入っていますか?これらは授業で使っているsuomea suomeksi 1と2には出てきませんが、ベリー類はフィンランド人の食生活に密接に関係しているので、知っていると便利です。イチゴはmansikka、ブルーベリーはmustikkaです。コケモモ(puolukka)は北海道でも高山帯や道東でわずかに見られますが、フィンランドでは非常にポピュラーなベリーで、写真のような光景は日当たりの良い森の中や道端などでも普通の光景です。

これらの語はkk:kのkpt変化が関係しますが、よく使う複数分格はコケモモでいうとpuolukoitaとpuolukkojaの2形が許されており、テキストss1の27課で扱う複数属格は、puolukoiden, puolukoitten, puolukkojen, [puolukkain]と4つも形が存在します。複数分格と複数属格はkpt変化が関係する語は通常強階程(この場合はkk)になりますが、-kkA終わりのベリーを表す語はpuolukoitaやpuolukoidenのような弱階程(この場合はk)の形がポピュラーなので注意が必要です、

私の主観がかなり入りますが、フィンランドではイチゴは7月、ブルーベリーは8月、コケモモは9月が旬というイメージがあります。

kansallispuisto 国立公園

北海道の新しい国立公園の名称が長すぎるのではと論議を呼んでいますが、フィンランド語では国立公園はkansallispuistoです。puistoが「公園」なのは多くの学習者の語彙に入っていることを願いますが、前半部分のkansallis-はkansallinen「国民の、国立の」という形容詞が複合語で使われるときの形で、同様なものとしてpohjoinen「北、北の」が複合語になるときはpohjois-という形を使います。たとえばわれわれにとってちょっと厄介な隣人(ああ、今日ちょうどなでしこジャパンとの一戦がありますね)は通常Pohjois-Koreaと言います。kansallismuseo「国立博物館」なども知っていると便利な語です。

写真はTampereからそうは遠くない、しかし車がないと訪問が難しいSeitseminen国立公園の入り口の看板ですが、フィンランド語では通常「~の国立公園」と言うので、Seitsemisen kansallispuistoと属格で表記する方が普通かもしれません。なので「大雪山国立公園」はフィンランド人ならTaisetsuzanin kansallispuistoと「ん」の音のあとに母音iを挟んで、属格のサイン-nを付けて言ったり書いたりする人が多いと思います。

presidentinvaali(t) 大統領選挙

決選投票前日、Arabiaのデザイン美術館前の公園

2月は私にとっては稀有なヘルシンキ出張(現地滞在実質4日間)、その後のW杯男子ジャンプ(札幌大倉山競技場)の手伝いなどイベントが続き、それらのために休講にした授業の振り替えなどでまだあたふたしています。

ヘルシンキ滞在中の10日に大統領選の決選投票がありました。投票率は約70%(直接投票)、新大統領となるAlexander Stubb氏の得票率が51.6%、対抗馬のPekka Haavisto氏の得票率が48.4%と大接戦でした。決選投票前にはHaavisto氏がかなりの追い上げを見せており、決選投票があと1週間遅かったらHaavisto氏が新大統領になっていたかもしれません。

投票日の日曜日はヘルシンキもマイナス15度近い冷え込み、内陸部はもっと冷え込んだ地域もあったようで、これが投票率に影響を与えた可能性もありそうです。

私が感心したのは、日曜日の午後10時頃にはすでに開票率100%になっていたこと、そして日本ではありえない、無効票の内容の一部がすぐに翌日の紙面に写真入りで紹介されていたことです。決選投票には進めなかった候補者名の他、「ドナルト・トランプ」、「ドナルドダック」、投票用紙に自分の意見や詩を書いている有権者もいました。1回目の投票に比べると無効票の割合は増えたそうです。

現地で知人がStubb氏の顔写真を拡大してビアスの穴の跡を示しながら「フィンランドでは男性のピアスも別に問題ないけど、大統領候補ということで、一応外して写真撮影したかな」とコメントしていました。

Hyvää alkanutta vuotta 2024! 明けましておめでとうございます。

元旦早朝の「シベリウス号」、サンクトペテルブルク行き

語学講座の皆さん、それから一体何名の方がこのブログ欄をご覧になっているか全く見当がつきませんが、明けましておめでとうございます。

今年は辰年、「龍・竜」はlohikäärme(lohi「鮭」+käärme「蛇」でしたね)。

お正月を外国で過ごしたことが、留学時代を含めて数回ありますが、直近は2008年にまで遡ることを、写真を整理していて気づきました。

この時は大晦日をヘルシンキのミュージシャン宅でお世話になり、元旦の朝、ヘルシンキ中央駅からサンクトペテルブルクへ向かっていました。

今の世界情勢を考えると、ロシア訪問はハードルが高すぎますが、その状況ができるだけ早いうちに改善されることを祈っています。

同日午後サンクトペテルブルク・フィンランド駅到着

grönlantilainen olut グリーンランドのビール

Joulu on ovella.クリスマスも間近です(文字通りは「クリスマスはドア(ovi)のところにある」)。

北大の森太郎先生のグリーンランドのお土産にビールをもらいました。先日飲んでみたのですが、とてもおいしかったです。

グリーンランドはフィンランド語でGrönlanti(Englanti(イギリス), Irlanti(アイルランド), Islanti(アイスランド)同様nt:nnのkptが関係します)、öは[ö:]のように長く伸ばして発音するのが普通です。「グリーンランドの」、「グリーンランド人」はgrönlantilainenですから、「私はグリーンランドのビールを飲みました。」は、(Minä) join grönlantilaista olutta.(目的語は単数分格)ですね。

ほのかにハーブの香りがするビールを飲みながら、数十年前アイスランドを訪れた時に、そこからさらにグリーンランドへ航空便が出ていることを知り、ぜひ行ってみたかったのですが、航空運賃の高さのため断念したことを思い出しました。

デンマーク語ですね