kuningatar 女王
イギリス、日本、二つの国葬(valtiolliset hautajaiset)が終わりました。
「女王」は残念ながらnainen「女性」+kuningas「王様」のコンビネーションではなく女性を表す接尾辞の-tArが入っている語です。 単数属格はkuningattaren、複数主格はkunigattaret、単数分格はkuningatarta、複数分格はkuningattariaです。辞書形(単数主格)と単数分格以外はtt:tの逆kpt変化があります。
昔の文献などにはopettajatar(opettaja「先生」+接尾辞-tar =「女先生」)、sairaanhoitajatar(「看護師」+接尾辞-tar =「女性看護師」)といった語も見受けますが、この-tarという接尾辞は時代とともに廃れつつあり、この「女王」といった語で細々と生き続けています。
とはいえ死滅したわけではなく、すばらしい女性シンガーを「歌手」のlaulaja(男女ともに使うこと可)ではなくあえて「歌姫、ディーバ」の意味でlaulajatarと紹介したりする用法はたまに見かけます。
中級以上の方は、「女王」と合わせて、「王様」kuningasの格変化も研究してみると良いかと思います(こちらはnk:ngのkpt変化が関係する語です)。