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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

luomu 有機農法の、オーガニックの

5月29日の月曜初級コースで紹介。

luomuluonnonmukainen(名詞「自然(luonto)」の属格+mukainen「~に対応した、一致した」)→「自然の」から作られ、1990年代にはよく使われるようになった語です。 複合語の最初の要素としてもよく使われ、luomutuote「有機製品(農産物)」、luomuliha「有機飼育による肉」luomuviljely「有機農業」など知っていると便利です。写真はluomuolut「オーガニックビール」ですね。

eläinlääkäriasema 動物病院(クリニック)

2017/8/16 Helsinki

5月22日の月曜初級コースで紹介。

eläin「動物」、lääkäri「医者」、asema「駅、ステーション」の3語の複合語です。 eläinlääkäriは「獣医」、lääkäriasemaは「クリニック」ですから、一石六鳥の語彙拡充が可能です。

「動物病院」はeläinsairaala(「動物」+sairaala「病院」)でも通じると思いますが、写真のようにeläinlääkäriasemaが一般的です。写真中のVETEIRAはクリニックの名前ですね。いずれにせよ、sairaala「病院」も覚えておきたい語です。

jääkiekko アイスホッケー

5月15日の月曜初級コース、5月17日の水曜入門コースで紹介(実は前者は昨年度同曜日の入門コースで紹介したことを忘れており、昨年から受講していた人へは2回目の紹介となってしまいました)。jääは「氷」、kiekko「ディスク、円盤=パック」の合成で「アイスホッケー」となります。

アイスホッケーはフィンランドの国技とは言い切れませんが、フィンランド人が最も熱狂するスポーツの代表格でしょう。昨年の北京オリンピックでフィンランド男子が初の金メダルを獲得した時には、国中が大騒ぎだったようです。

「氷」で始まる複合語としてjääkaappi(「氷」+「戸棚、タンス」=「冷蔵庫」、英語はrefrigeratorという奇っ怪な語がありますよね)は覚えておきたいところです。そして「氷」の[ä]はしっかり前舌母音で発音したいところです。jaaと言うと①jakaa「分ける」という動詞の命令形・否定形、②「ああ、そう」(間投詞)の意味になってしまいますから。

もちろんIlvesの応援団

写真は2017年のTampereでのアイスホッケーシーズン開幕戦のダービーマッチ、黄色と緑と黒のユニフォームがIlves(「オオヤマネコ」)、白と赤がTappara(「戦斧、闘斧」)で友人のJussi、Jussiの息子のJoonasと観戦に出かけましたが、JussiはTappraファン、JoonasはIlvesファンと、家族の中でも応援先が違っていました。試合はTapparaが3-0でIlvesを下したと記憶しています。

yrtti ハーブ

5月8日の月曜初級コースで紹介。写真はOuluのマーケット広場近くのカフェの看板。筆記体のきれいな飾り文字の看板、上の3つはすべて単数分格形ですが解読できますか?Kahvia(「コーヒー」)、 Tee(「紅茶」)、 Suklaata(「チョコレート」)です。物質名詞は、看板や包装袋・箱に単数分格形で表示されることが比較的多いです。

入門・初級レベルの方は一番下の語の解読に苦労、あるいは綴りがわかっても意味はご存じないかもしれません。表記はYrtte(テキストsuomea suomeksi 1の26課で履修の複数分格形)、辞書形はyrttiで「ハーブ」の意味です。

この語を知っていればyrttitee(「ハーブティー」)のような語も語彙に入れることができます。また、国が違えばハーブ、スパイス類の使い方も変わるもので、フィンランド旅行を何度かされた方なら、日本ではあまり使わないtilli(「ディル」)が魚料理(特にサーモン)にはつきものであることに気づかれたと思います。私が9日の授業時に出した例は、フィンランド人はピザにつきもののスパイスとしてオレガノをまず思い浮かべる、というもので、ゲストのフィンランド人2名も賛同してくれました。

vehnä(jauho) 小麦(粉)

4月23日の初級コースの授業で紹介。vehnä「小麦」は前回このブログ欄で紹介したruis「ライ麦」以上に早く語彙に入れたい、レシピや料理の話題では頻出の語です。「小麦粉」は後ろにjauho「粉」をつければOKです。jauhoだけで「小麦粉」の意味で使うことも結構あります。

格変化は容易で、単数分格はvehnää / vehnäjauhoa単数属格はvehnän / vehnajouhon。ただ、レシピなどではsuomea suomeksi 1の26課(⁼私の担当クラスだと2年目の初級コースの終わり頃)にならないと学習しない複数分格形vehnäjauhojaをよく使います。

写真はフィンランド南西部のFiskarsの小さな博物館に展示されていた小麦とライ麦のサンプル。上はフィンランド語、下はスウェーデン語です。

ruis ライ麦

おいしいライ麦のスナック

ライ麦パン(ruisleipä)に代表される「黒パン」はフィンランド人の主食なのでruis「ライ麦」は知っておくと良い語です。ライ麦(ruis)は子音終わりの語なので、単数分格はruista。では「ライ麦」(単数属格)は?

答えはrukiin。k:Φ(消える)の最も難しいkpt変化が絡む格変化です。rukiinと聞いたり見たりしたときに、まず辞書形のruisには思い当たらないと思います。また、「母音伸ばし+n」の語尾だと、入格「~の中へ」ではないかと勘違いもしやすいのですが、単数入格はrukiiseen、複数入格はrukiisiinあるいは rukiihinとなります。

Aasian pöly 黄砂

大学駐車場にて(4月13日夕方、札幌)

黄砂については何年か前に話題にしたかもしれませんが、また大規模に飛来したようなので、旬の話題として取り上げます。

昨日新年度初めての大学非常勤の授業に出かけましたが、駐車場の黒、赤、青といった色の車には軒並みほこりがはっきりと見えました。通勤途中、普段車の行列がないような場所に車の列ができていましたが、洗車場待ちの車列だとあとで気づきました。

黄砂にはいろいろなフィンランド語が宛てられているようですが、hiekka「砂」を使うことはあまりなく(keltainen「黄色」+hiekka= keltainen hiekkaと表現することは可能ですが)、pöly「ほこり、ちり」を使うことが多いようです。確かに、日本にやってくる黄砂の粒子は、スギ花粉より小さいそうですね。

Aasian pöly「アジアの 埃(文字入力していて「誇り」だったらどれだけよいことか…)」
keltainen pöly「黄色い 埃」
keltainen tuuli「黄色い 風」
ちょっと中国に責任転嫁した表現として、
Kiinan pölymyrsky「中国の 埃(の)嵐」
などが黄砂現象を説明するフィンランド語でした。

火曜初級コースの8名がテキストsuomea suomeksi 1の修了証を手にされました

3月7日の火曜初級コースの今年度最終授業はハイブリッド方式で行われ、年度初めの予定通り、入門~初級用テキストsuomea suomeksi 1のすべての内容を終了、8名へ修了証(何の権威もありませんが)が授与されました(対面での受領4名、オンライン上での受領2名、録画視聴で学習されている方2名)。

以下の皆さん、Onneksi olkoon!
Kazumi, Miwa, Junko, Kaori, Haruka, Akiyo, Kinue, MIsaki

全員女性です。今日の国際女性デー(Kansainvälinen naistenpäivä)にふさわしい報告かな。修了者の多くの皆さんとは中~上級用テキストsuomea suomeksi 2を使った中級コースでお会いできることを期待しています。

             授業担当:水本秀明

avaimenperä キーホルダー

2月7日の火曜初級コースで紹介。「鍵」avainは語彙に入っていても、「キーホルダー」はまだ、という人がほとんどかと思います。

avainperäでも通じると思いますが、「鍵」の部分はavaimen「鍵」と属格形にし、そこに続く部分は、「後、土台、端」などを表すperäを続けます。avaimen peräと分けて表記も可能ですが、写真のように1語での表記が普通かと思います。

avainのような、-in終わりの名詞は「~する道具」を表すことがほとんどなので、知っていると便利な知識です。avainは動詞avata「開ける(タイプⅣ)」道具、ということですね。他にも-in終わりで、道具を表す語と、その基になる動詞を探してみて下さい。また-in終わりの名詞はほとんどの格変化でn→mとなるので、そこも注意です。

tatuointi タトゥー・刺青

“samurai”がテーマのタトゥー

先月は3年ぶりに札幌で国際スキージャンプ大会が開催され、私も20年以上お手伝いしている関係で、3週連続(女子W杯、男子コンチネンタルカップ、男子W杯)大会のお手伝いをさせてもらいました。近年の国際大会では、スキージャンプの飛距離は、会場に飛距離判定員は配置されているものの、ビデオ判定が優先になっています。W杯ではドイツの会社、コンチネンタル杯ではオーストリアの会社がビデオ判定を請け負っているので、私はドイツ語は全くできませんが、怪しい英語でコミュニケーションを取りながら、スタッフの運転手兼通訳をやっているような次第です。

写真はオーストリア人のビデオ判定担当のSandroさんで、試合中は私は彼の隣に座って一緒に仕事をしているのですが、彼のような人と一緒にいると文化や習慣の違いを考えさせられます。すごく優しい、朝からコンビニのココアドリンクを飲んで、札幌のスープカレーも大好きというサンドロさんです。

タトゥーはフィンランド語でtatuointi、nt:nnのkpt変化がありますから「タトゥーの」(単数属格)はtatuoinninとなります。「タトゥーを入れる」tatuoida(タイプⅡ)という動詞もあります。