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フィンランド語講座

北海道フィンランド協会

maapähkinä 落花生/ピーナッツ

先日伊達市大滝区で借りている畑のゴボウ掘りに合わせて、4本植えてあった落花生を収穫しました。今年は猛暑の影響で、北海道ではサツマイモ(bataatti)や落花生の生育が良かったと聞きました。

昨年は低温の影響か、あるいが苗を畑に移植した時期が遅かったのか、まったく実らなかったので、わずかな収穫とはいえ嬉しかったです。今年は苗からではなくまさに4粒のピーナッツから育ててみたので、成長具合を楽しむこともできました。さっそく2株分くらい泥を落とし、生で茹でてみました。とても甘かったです。残りの一部はいま自宅の軒下で乾燥中です。

落花生はmaapähkinä、maaは「地面、土地」、pähkinäは「ナッツ」の複合語です。複数分格複数属格が難しく、それぞれmaapähkinöitä, maapähkinöiden/pähkinöitten(pähkinäinという形も存在する)となります。

それにしても私が子供の頃には、北海道ではサツマイモや落花生はほとんど栽培されていなかったと思うのですが、これも「温暖化」の影響でしょうか。

Eva käy tunnilla エヴァさんがクラス訪問

私の古い友人で、カンテレ奏者のEva Alkulaさんが忙しい札幌滞在の合間を縫って水曜入門コースへ来訪してくれました。

Evaが北海道教育大学に留学時に知り合って、もう25年くらい経ちますか。Aika lentää (siivillä).「光陰矢の如し」(フィンランド語では「時間は(両羽で)飛ぶ」)です。コロナ前はほぼ毎年のように日本に来て各地で演奏会・指導を行っていましたが、コロナ禍のため、4年ぶりの来札となりました。

「フィンランド語って難しいわよね。私国語(フィンランド語)の成績が一番良くなかったのよね。」と言いながら、授業のアシスタントを務めてくれ、授業後授業録画がYouTubeで視聴できるようになるまで、出席した対面参加者とおしゃべりを楽しんでいました。入門クラスの生徒さんはまだフィンランド語ですらすら会話できるレベルには残念ながらなっていませんが、Evaの上手な日本語に感心しながら、フィンランド語を勉強し始めた動機などについて説明していました。対面のゲストが来てくれる授業は楽しいです!

uusi vaihto-opiskelija 新留学生!

昨日の入門コースに、ヘルシンキ大学から北海道大学へHustepプログラムで留学しているJoona Jokilampi君が対面参加してくれました。Joona君、Kiitos!

私もまだ彼と数日前に連絡が取れたばかりで、お会いしたのも昨日が最初でしたが、ハメ地方のKangasala出身、専攻はフィンランド文学で、日本語と日本文化は副専攻。現在日本語の勉強中ですが、過去のHustepプログラム留学生の例を考えると、これから飛躍的に日本語は上達していくはずです。来年の8月までの留学を予定しています。

子どものころにお兄さんが作った密造アルコールを飲んでひどい目にあったのでお酒は飲まないそうです。また、肉は食べないが、魚は大好きだそうです。

母語のフィンランド語を外国人に教えるという活動にとても興味があると言っていましたので、私の方でも、今後時間があるときにまたクラスを訪問してくださいとお願いしました。

彼の名字のjokiは「川」、lampiは「池」ですので、「川池」君ですね。川池君、今後ともよろしく。

lokakuu 10月

2004/10/3 Ruovesi

10月になり私が担当の各コースも第3期の授業がスタートしました。今年は8・9月にいろんなことがありました。2週間の予定で出かけた鹿児島の離島で2度続いたフェリー欠航のため夏休みが1週延び(フェリーは週2便!)たのが一番のハプニングだったでしょうか。夏休み明けの授業開始も急遽1週遅らせていただくなど、受講者の皆さんにはご迷惑をおかけしました。

10月はフィンランド語ではlokakuu、lokaは「泥」や「ぬかるみ」を表す言葉で、天気が悪いことを暗示する月名です。たしかに秋分を過ぎ、冬至に向かってどんどん日が短くなっていく時期ではあります。自分は大昔の留学時の2年間を除くと、10月のフィンランドには旅行の最終盤で一度いたことがあるくらいなので実際に悪天候のことが多いのかはちょっとわかりません。

10月のフィンランド滞在時に撮った写真がないか探したところ、もう20年近く前になりますが、2004年の10月3日に友人のJussiの岸辺のサウナ(rantasauna)から撮った写真が出てきました。撮影時間は現地時間で19時32分になっています。サウナの湖側のドアを開けると写真のような風景が広がり、そのまま湖にダイブすることができます。外のベンチに座り、ソーセージを食べ、ビールを飲みながら、目の前の穏やかな風景を愛でます。たまに水鳥がバタバタと羽ばたく音だけが聞こえる、私がフィンランドで一番好きな場所の一つです。

(kanan)muna (鶏)卵

いつの間にか品薄状態は解消されたようですが、値段が高くて閉口しています。

日本は無味乾燥なプラスチックのパックに10個入りで売っていることが多いですが、フィンランドでは写真のような紙のパックに6個入りで売っていることが多いようです。デザインも可愛くて、ほのぼのとした気持ちになります。

munaは卵、フィンランド人は鳥の卵というと普通は鶏卵しか食べないので、munaだけでも十分ですが、「鶏卵」と言いたいときはkanan(鶏、めんどり)を前につけて表現します。

mu-naとka-naはどちらも2音節語の名詞で、単数属格-nを加えるだけ、単数分格の変化も簡単(2羽のニワトリは2 kanaa、2個の卵は2 munaa)ですが、複数分格(たとえばpaljonが前につく場合)は前者はmunia、後者はkanojaになります。どうしてこの変化の違いが出てくるのでしょう。テキストsuomea suomeksi 1を使って勉強している方は、24課のs146の「7つのルール」の中に答えがありますので考えてみてください。

卵は卵でも、「魚卵」はmäti(単数属格din(t:dのkpt変化あり)、単数分格mätiä複数分格mäte)です。合わせて覚えておきましょう。

相原秀起さんの講演「知られざる北方四島の自然」を聴きに行きました

7月6日フィンランド語入門コースで勉強されている相原秀起さんの講演「知られざる北方四島の自然」を聴きに行きました。平日の午後ということで退職世代の方がほとんどでしたが、20名ほどが定員と思われる会場は、補助イスも登場するほどの大盛況でした。

相原さんの話には、長い新聞記者歴と確かな取材に支えられた説得力とユーモアがあり、1時間半強のセミナーはあっという間に過ぎてしまいました。「ラッコと火山の島 択捉」、「シマフクロウの島 国後」、「北太平洋の箱庭 色丹」、「海鳥とトドの楽園 歯舞」という構成も素晴らしく感じられました。現在のロシア情勢を考えると、なかなか訪れるのは難しい北方四島、貴重な動画と画像も満載でした。

相原さんが大黒屋光太夫とエリク・ラクスマン、アダム・ラクスマン親子を追っての30年にも及ぶ取材の集大成が、この秋予定されているエリク・ラクスマンのふるさとサヴォンリンナ訪問だそうです。10月にはその報告会が今回と同じ「道民カレッジ」で開催されますが、北海道フィンランド協会も後援させていただく予定です。今回のセミナー同様、Zoomでの参加が可能かと思われますし、講演のビデオ画像も道民カレッジから頂けそうです。どうぞお楽しみに。

択捉島東端に那智の滝より大きな滝があるとは…

loimulohi (遠赤外線で炙った)サーモン

写真1

週末の内輪の夏至祭で、ビザの他に久しぶりにloimulohi(loimu「炎」+lohi「鮭」)を作ってみました。サーモンを固定する板と木製のくさびを準備すること、大きな焚き火ができる場所を見つけるのが大変なのですが、調理方法としては大変シンプルなものです。
1. 1キロ弱のサーモンの半身の両面に軽く塩を振り、アルミフォイルに包み1‐2時間置く。
2. サーモンを固定する板と木製のくさびは2時間くらい水に浸けておく。
3. 十分な火力の焚き火をおこしておく。
4. サーモンの塩を落とし、溶かしバターにディルと塩少々混ぜたものを表面に塗り、木製のくさびで板に固定し、焚き火の近くで45分~1時間炙る。

板を置く場所は、手をかざして4‐5秒我慢できる炎からの距離。お好みで焼いている途中にディルバターを1‐2度塗り足してもよいです。写真1は私が初めてloimulohiを見たJyväskyläの野外市場(2004年)、写真2はコロナ前2017年に今回と同じ場所(ただし屋外)で作ってみたloimulohi、写真3はディルバターを塗った炙る前のマス、そして写真4は今回屋内での焚き火で炙っている最中のloimulohiです。

サーモンは高かったので、今回はマスを使いましたが、それでもおいしかったです。

写真2

写真3

写真4

oregano, (mäki)meirami オレガノ

オレガノはヨーロッパの地中海沿岸を原産とするシソ科ハナハッカ属の多年草。和名はハナハッカ(花薄荷)。別名はワイルド・マジョラムやコモン・マージョラム(以上ウィキペディア日本語版より)。日本ではあまりポピュラーなハーブではありませんが、なぜかフィンランドではピザといえばオレガノというくらい、ピザには欠かせないスパイスです。もともとイタリア料理やギリシャ料理と相性の良いハーブなので何も不思議ではないのですが、このピザ‐オレガノの強力なコンビ、フィンランドでは不動です。

植物としては、(mäki)meiramiを使うこともあるようですが、スパイスとしてはoreganoを普通使うと思います。 私も知人の多いOuluはピザがおいしい町として有名なようで、昔はロヴァニエミからヘルシンキに向かう夜行列車はOuluで15分から40分くらい停車していたので、あらかじめ電話で好みのピザを駅前のピザ屋に注文しておいて、停車時間中に店から取りに行って夜食代わりに食べている人を何度か見かけました。今は日本同様、列車はもうそんなに長く一つの駅に停車していないかな…

週末に内輪の夏至祭を楽しむ予定なのですが、ピザ窯がある場所なので、皆でピザ作りする予定です。オレガノパウダーとわが家で育てている生の葉っぱを少々持っていくのを忘れないようにしないと。

 

kaura エンバク(燕麦)、カラスムギ、 オート麦、オーツ麦

6月12日の初級コースで紹介。kauraはフィンランドでは大変人気のある食材、たとえば、kaurapuuro(+puuro「おかゆ」で「オートミールのおかゆ」)。puuroも覚えていると便利な語で、米のおかゆはriisipuuroと「米」riisiとつなげればOKです。

格変化の面では、単数属格はkauran単数分格はkauraaと簡単ですが、kaulaとrをlで発音すると「首」になってしまうので要注意です。

写真は私の先生Seijaさんの自宅から別荘の間(1.5㎞くらいの道のりだったと記憶しています)で見かけたエンバクの畑。また訪れたい場所です。

laivaranta 船着き場

2017年9月4日 Ruovesi

6月5日の初級コースで紹介。laivaは、テキストsuomea suomeksi 1で勉強されている皆さんは、15課で学習、語彙に入っている人も多いと思います。

rantaは「岸、岸辺」で、nt:nnのkpt変化が生じる場合があるので注意です。単数属格(「~の」)はrannan、「~へ」、「~に」、「~から」の形はそれぞれ、 rantaan、rannassa、rannastaです(通常内部格使用)。

rantaはLappeenrantaのような地名にも含まれていますし、Ranta, Rantala, Rantanenのような名字でもよく見かけます。私の大昔の留学時代のスーパーバイザーもRantala先生でした。